トヨタ系のWoven Capital(ウーブン・キャピタル)がこのほど、自動運転型の電動クルマ椅子の開発などを手掛けるWHILL株式会社(本社:東京都品川区/代表取締役社長CEO:杉江理)に投資したことが明らかになった。WHILLが2022年5月20日までに発表した。
Woven Capitalは、トヨタ自動車の子会社であるWoven Planet Group(ウーブン・プラネット・グループ)において投資事業を担っている。WHILLに投資された資金は、生産体制の拡大やサービス事業に重点を置いたリソース強化に用いられるようだ。
WHILLは、「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションに、2012年に設立された。近距離モビリティ「WHILL」の販売・レンタルサービス・シェアリングサービスを3本柱として、世界各地で事業を展開している。
■自動運転機能を実装、空港で活躍
近距離モビリティ「WHILL」は1人用のパーソナルモビリティとして開発された。免許を返納した高齢者の移動ツールとしてのニーズも高まっている。
自動運転機能を同モビリティを実装する取り組みも進められており、2020年7月に羽田空港で導入が始まると、大きな注目を集めた。2021年6月には羽田空港での利用範囲が拡張され、国内線ターミナル全域で利用できるようになった。
同社は複数台数を管理・運用するシステムも開発している。歩道や屋内向けのシステムとなっており、あらかじめ収集した地図情報とセンサー群で検知した周囲の情報を照らし合わせて、自動運転を可能にしている。
自動運転が可能なクルマ椅子は、クルマ椅子を押す介助者を必要とせず、「非接触」といった特徴があるため、感染症対策にも一役買っている。
■杉江社長「増大する需要に対応」
WHILLの代表取締役社長CEOである杉江理氏は「今後10年を見据え、増大する需要に対応するために事業を拡大し、空港、病院および人々が近距離移動を必要とする歩行領域のサービス展開を加速させる」と意気込みを語っている。
一方、ウーブン・キャピタルは投資に際し「(WHILLは)革新的なモビリティを10年間提供してきた実績で業界を牽引しており、モビリティを通じて全ての人が最高の生活を送れるように貢献すると信じている」とコメントしている。
引き続きWHILLの事業展開に関心が集まりそうだ。
【参考】関連記事としては「空港で世界初!羽田に自動運転パーソナルモビリティ WHILLが開発」も参照。