続くボッシュの買収攻勢!自動運転ソフト開発の英Fiveも

さまざまな必要要素を、ワンストップで提供



出典:ボッシュプレスリリース

2022年に入り、高精度3Dマップを展開する独atlatec(アトラテック)の買収を発表した独ボッシュ。自動運転事業の強化に向けた買収で注目を浴びたが、さらに新たな買収案件を2022年4月15日までに発表した。自動運転ソフトウェア開発の英スタートアップFiveを買収する。

■ボッシュ取締役「欧州発の技術を顧客に提供」

買収契約は4月上旬に締結したようだ。買収額などは公開されていない。Fiveはボッシュの「クロスドメイン・コンピューティング・ソリューションズ部門」に所属する予定となっている。


FiveのStan Boland最高経営責任者(CEO)は「ボッシュは運転支援技術におけるグローバルリーダーであり、安全な自動運転システムを市場に投入するために不可欠なコア技術と膨大なデータレイク(※データを一元的に格納するデータリポジトリのこと)を有している」とした上で、「ボッシュの将来の成功の一翼を担えることを嬉しく思う」と述べている。

ボッシュのMarkus Heyn取締役は「自動運転は道路交通をより安全なものにする」と述べた上で、「(Fiveの技術力で)安全な自動運転のためのソフトウェア開発を強化し、欧州発の技術を顧客に提供したい」と述べている。

■2016年設立、テストプラットフォームの開発も

英ケンブリッジに本社を構えるFiveは、英国内に6つの拠点を持ち、約140人の従業員を抱えている。

2016年の設立以降、クラウドソフトウェアや安全保証、ロボティクス、機械学習の専門家チームを構築し、自動運転レベル4(高度運転自動化)向けの最先端ソフトウェアとAI(人工知能)ベースのソリューションを開発してきた。


昨今は、特に自動運転用ソフトウェアのクラウドベースでの開発と、テストプラットフォームに注力してきた。テストプラットフォームは、テストシナリオで自動運転ソフトウェアの検証を可能にするものだ。

■ワンストップで自動運転に必要な構成要素を提供

今回のFiveの買収により、ボッシュはアクチュエーターやセンサー、地図、ソフトウェア、エンジニアリング環境など、自動運転に必要なさまざまな構成要素を顧客に提供できる態勢をさらに強化したことになる。

自動運転市場における同社の地位を確立させるための大きな一歩だ。今後も引き続きボッシュの動向に注目していきたい。

▼Five公式サイト
https://www.five.ai/


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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