自律移動ロボットの開発も手掛けるAI(人工知能)ベンチャーの株式会社Preferred Networks(本社:東京都千代田区/代表取締役:西川徹)はこのほど、夏季のインターン募集要項を発表した。
インターンのテーマは多岐にわたるが、テーマの1つに「自動運転」が含まれており、「自動運転に用いる自己位置推定手法の開発」や「自動運転に用いる物体認識手法の開発」などに取り組めるようだ。
自動運転業界に飛び込もうとしている学生などにとっては、自動運転に関連する先進技術に触れることができる絶好のチャンスと言えそうだ。
■インターンで取り組む内容は?
「自動運転に用いる自己位置推定手法の開発」では、高精度マップやカメラを使った自己位置推定手法や、点群地図とLiDAR点群データを使った自己位置推定手法を開発する。
必須条件はC++のコーディング能力と基本的なコンピューターサイエンスに関する知識だ。自己位置推定手法や環境認識手法についての研究開発経験があるとなお望ましいという。
「自動運転に用いる物体認識手法の開発」では、LiDARや画像を用いた2次元・3次元の物体認識手法の開発と改善、センサーデータのノイズを除去するアルゴリズムの開発に取り組む。
必須条件は基本的なコンピューターサイエンスに関する知識と、画像認識または点群処理の知識、Python・C++のコーディング能力だ。PyTorchなどの深層学習フレームワークの使用経験があり、2次元・3次元物体認識に取り組んだ経験などがあるとなお望ましいという。
■創業当時から大手との協業、トヨタも出資
2014年設立のPreferred NetworksはAI深層学習技術を武器に、自動運転など多様な分野でイノベーションの実現を目指す企業だ。
国内では数少ないユニコーン(企業価値が10億ドル以上の非上場企業)としても知られ、NTTやパナソニックとの事業提携や、米マイクロソフトやインテルとのディープラーニング開発における協業など、大型提携を実現している。
自動運転関連では創業当時からトヨタと関係が深く、2014年に物体認識技術や車両情報解析などの共同研究を開始しており、サービスロボットの共同開発など広範にわたる研究を進めている。トヨタからは2015年には10億円の出資を、2017年には約105億円の追加出資を受けている。
2019年には大手ゼネコンの鹿島建設との共同研究がスタートした。実用的なセンサー構成の検討を進め、現場での実証実験を重ねてきた。2021年3月には建築現場で使用するロボットのための自律移動システム「iNoh(アイノー)」の共同開発を発表している。iNohはリアルタイムな自己位置把握と非GNSS(全球測位衛星システム)環境でも自律移動が可能だ。
■自動運転分野の仕事を体験できる貴重な機会
Preferred Networksの2022年のインターンの応募締切は2022年4月26日だ。インターンは8月3日〜9月16日で約1カ月半、オンラインとオフラインで実施される。同社のスペシャリストであるメンターと研究・開発に携われるいい機会だ。
将来技術者として自動運転分野に携わりたいと思っている人は、ぜひ応募してみてはいかがだろうか。
▼PFN2022 夏季国内インターン募集要項|株式会社Preferred Networks
https://www.preferred.jp/ja/news/internship2022/
【参考】関連記事としては「Preferred Networks、建築現場用ロボ向けに自律移動システムを開発」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)