イーロンマスク氏が毎年「自動運転は”来年”可能に」と語る皮肉動画が話題に

前のめりな発言こそ原動力とも言えそう

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躍進を続ける米EV(電気自動車)大手テスラCEOのイーロン・マスク氏が、毎年のように「自動運転は”来年”可能に」と発言しているまとめ動画がYouTubeで公開され、アメリカで話題になっている。自動運転を実現できていない現状を皮肉っている動画のようだ。

■2014年から2021年まで続くマスク氏の主張

マスク氏の最初の発言は8年前の2014年にさかのぼる。マスク氏は2014年に「来年のテスラ車は、おそらく90%オートパイロットが可能になるだろうから、走行距離の90%はオートで走ることになるだろう」と述べている。

その後も2021年まで毎年のように「来年になる可能性はかなり高い」といった趣旨のことを語る様子が映し出される。

2017年には「自動運転レベル5の自律走行が数カ月以内に登場する」と言っていた。2019年には「テスラユーザーが車内で眠りに落ち、目的地で目を覚ますことが安全であると考えられる時期は、私の推測ではおそらく来年の終わり頃でしょう」とも述べていた。しかし2022年2月現在、未だ自動運転を実現できていない。

また2019年には、自動運転タクシーサービス「Tesla Network」(テスラネットワーク)を開始し、同年中に100万台以上の自動運転車を稼働させるとも述べていたが、こちらも未だ実現していない。

ただし、テスラはマスク氏の前のめりな発言に引っ張られるように大きく成長を遂げてきただけに、自動運転をどうにか実現したいからこその、あえての先走り発言かもしれない。

■最近はテスラに対する向かい風の状況が続くが…

2020年にテスラの時価総額はトヨタを抜き、世界の自動車メーカートップに躍り出たテスラ。時価総額上は、グーグルやアップルなどの巨大テック企業「GAFAM」にほぼ肩を並べるまでに成長した。

ただし、将来的に自動運転を可能にする「FSD(Full Self-Driving)」に関し、最近テスラは揺れている。2021年10月、一部オーナーを対象にFSDの最新ベータ版をリリースしたが、不具合の報告が相次いだため、一時的にバージョンを戻した。

米国家運輸安全委員会(NTSB)からは、一部機能の欠陥がいまだに対処されていない、といった指摘を受けている。しばらくはテスラに対する向かい風の状況は続きそうだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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