2019年7月に自動運転タクシーのサービス開始の延期を発表した企業がある。GM傘下のCruiseだ。その理由は「安全性を重視するため」。そして恐らく安全性に関する懸念が無くなったのだろう。このほど、サンフランシスコで一般向けにサービスを展開し始めた。
延期発表から約2年半が経ってのサービスのローンチだ。Google系Waymoが自動運転タクシーの商用サービスを世界で初めて開始したのが2018年12月なので、それから数えると約3年2カ月遅れとなる。しかし何はともあれ、サービスのローンチにこぎつけた。
これからCruiseはいよいよWaymoの背中を本格的に追い始める。
■まずは無料でサービスを提供
Cruiseに関しては、2021年6月にカリフォルニア州当局から、無人での自動運転タクシーのサービス許可を取得したことを発表している。そして現在までに、従業員向けに自動運転タクシーを展開していたが、いよいよ一般向けにもサービスの提供を開始することになった。
ただし、一般客に運賃を請求することについては、規制当局からの承認を待っている状態で、承認が終わるまでは無料でサービスが提供されることになる。
ちなみに一般向けへのサービス開始によって、Cruiseは、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)からの13億5,000万ドル(約1,550億円)の追加出資を受けることになった。「一般向けへのサービス開始」が追加出資の条件だったからだ。
【参考】関連記事としては「ビジョンファンド、注目の投資先は!?(ソフトバンク×自動運転・MaaS 特集)」も参照。
■ドバイ、そして日本でも
Cruiseに関しては、2023年からはドバイで自動運転タクシーサービスを開始する予定となっている。日本ではホンダとパートナーシップを締結しており、日本市場でのサービス展開も予想される。
まずは米国でサービスが動き始めた。今後もCruiseの動向には注目だ。
▼Cruise公式サイト
https://www.getcruise.com/
【参考】関連記事としては「GM傘下Cruise、自動運転の年表!ハンドルなしのポッド型「Origin」を発表」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)