トヨタの「自動運転の城下町」誕生へ

Woven Cityがある静岡県裾野市、駅で自動運転車導入も



2021年9月時点のWoven Cityの建設状況=出典:静岡県裾野市公式YouTubeサイト

トヨタ自動車の「城下町」と言えば、本社のある愛知県豊田市のことを指すが、新たにもう1つ、「自動運転の城下町」が生まれるかもしれない。静岡県裾野市においてだ。

トヨタはいま、コネクティッドシティ「Woven City」を裾野市で建設中だ。そんなWoven Cityについて2021年10月に裾野市で開かれた住民向け説明会では、Woven Cityの発展と裾野市の活性化に向け、トヨタ側と裾野市側の相思相愛ぶりを思わせる場面があった。


この説明会では、Woven Cityの最寄り駅に自動運転車を導入する構想も明らかにされており、Woven CityがWoven City単独ではなく、裾野市周辺にも影響力を持つ存在となっていくことが確実とみられる。

■カフナーCEO「裾野市と一緒に作り上げる」

住民説明会には、トヨタ子会社としてWoven City事業を手掛けるウーブン・プラネット・ホールディングスのジェームス・カフナー代表取締役CEO(最高経営責任者)らが参加した。カフナーCEOは、住民の不安の声に率直に答え、裾野市と一緒に作り上げる、という意思を繰り返し述べた

裾野市は2020年3月、独自の次世代型近未来都市構想として「スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ構想」を発表しており、Woven Cityに対する期待感は小さくない。Woven Cityへの来訪者が増えることで、裾野市を訪れる人も増えることも嬉しい点であろう。

裾野市としては、単独の自治体であるのに「トヨタの自動運転の城下町」と呼ばれるのは不本意かもしれないが、Woven Cityがもたらしてくれる経済効果は魅力的だろう。


■トヨタと裾野市の今後の共生・共栄に注目

トヨタの東富士工場跡地で建設中のWoven City。実際に人が住むことが想定されており、そこに住む人が住民票を裾野市に移せば、その分、裾野市の人口は増える。

そしてWoven Cityが開業し、一般の訪問が可能となるならば、Woven Cityがゼロからつくられる最先端のスマートシティだけに、裾野市には日本国内だけでなく、世界各地から見学者が訪れるはずだ。

トヨタと裾野市がどう手を携えて共生・共栄を果たしていくのか、引き続き注目していきたい。

【参考】関連記事としては「トヨタWoven City、初期住民は8種類!自動運転を試す街、いつオープン?」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




関連記事