「自動運転レベル4」(高度運転自動化)とは、特定エリアにおいて完全自動運転が可能な水準を指す。そのため特定エリア内だけを走行する車両であれば、ハンドルやブレーキ類が不要になり、運転席という概念がなくなるため、車室デザインの自由度が大幅に増す。
こうした中、自動車部品メーカー大手のトヨタ紡織株式会社(本社:愛知県刈谷市/代表取締役社長:沼毅)が、2022年1月に米ラスベガスで開催される「CES 2022」において、自動運転レベル4を想定した車室空間コンセプトを展示すると発表した。
CES 2022は1月5〜8日に開催される。トヨタ紡織が展示する自動運転レベル4に適した車室とは、どのようなデザインなのだろうか。
■2つの車室空間コンセプトを展示
トヨタ紡織はCES 2022で、自動運転時代を想定した2つの車室空間を展示する。
MaaSシェアライド空間コンセプト「MX221」
1つ目は、自動運転レベル4を想定したMaaSシェアライド空間コンセプト「MX221」だ。都市部で活躍する自動運転シェアモビリティの車室空間を、「Diversatility」をコンセプトにデザインした。
Diversatilityは「Versatility(汎用性)」と「Diversity(多様性)」を組み合わせた造語で、MX221は可変性を持つ空間に仕上がっているという。シートレイアウトなどを自在に変更できるようにすることで、移動ニーズや利用シーンごとに最適に空間を提案できるようだ。
状況に応じて空調や照明、音響、香り、振動刺激、映像を最適に制御するシステムも搭載されるようだ。
【参考】関連記事としては「自動運転レベル4、ゼロから分かる基礎知識&進捗まとめ」も参照。
MaaSサービス空間コンセプト「MOOX」
2つ目はMaaSサービス空間コンセプト「MOOX」で、ビジネスやエンターテインメントなど、さまざまなサービスにおいて活用されることを想定したMaaS空間となっている。
MOOXは「MOBILE」と「BOX」を合わせた造語。提案するMaaS空間では、車両の位置情報と連動したコンテンツ提供や五感制御システムが活用され、今までにない体験を乗員に対して提供できるという。
■次世代車両向けの車室空間に以前からアプローチ
トヨタ紡織は以前から、車室空間の価値向上に取り組んできた。例えば2018年9月に開催された「東京ゲームショウ2018」では、自動運転ベンチャーのティアフォーなどとの協業で、VR技術を活用した移動空間を提案した。
トヨタ紡織がCES 2022で展示する車室コンセプトに、世界中から集まる来場者たちはどのような関心を寄せるのだろうか。気になるところだ。
【参考】関連記事としては「トヨタ紡織、「車室空間」で自動運転に積極的アプローチ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)