「自動運転×空港」の取り組みを加速させようと動いている国土交通省航空局。これまでに公表した資料から、「空港における自動運転レベル4」をどう定義するかや、今後の実証実験の計画、導入の目標時期などが明らかになっている。
▼自動運転レベル4相当の導入に向けた方針|国土交通省航空局
https://www.mlit.go.jp/common/001425246.pdf
■空港バージョンの「自動運転レベル4」の定義案は?
まず空港における自動運転レベル4の定義案については、「車両開発事業者、運行事業者、空港管理者等の関係者間で合意した限定領域(ODD)を前提として、運転者が介在せずに対応可能なシステム」としている。
米自動車技術者協会(SAE)による自動運転レベル4の定義は「運転自動化システムが全ての動的運転タスク及び作動継続が困難な場合への応答を限定領域(ODD)において持続的に実行」とされており、この定義を空港バージョンに変えた形だ。
ちなみに定義の中で触れられているODDは、「Operational Design Domain(運行設計領域等)」のことであり、自動運転システムの作動の前提となる走行環境の条件のことをいう。
ODDは、速度や区域、ルート、天候、道路条件、交通弱者の有無、通信接続の状況などで設定され、国土交通省はこうした各条件を検討・設定し、2025年までに自動運転レベル4相当の技術を搭載した従業員向けの輸送バスなどを空港で導入することを目指している。
【参考】関連記事としては「自動運転における「ODD」って何?「運行設計領域」のことで、言い換えれば「能力値」」も参照。
■「2025年」の目標達成へ実証実験も続々スタート
国土交通省は自動運転レベル4の導入の目標を「2025年まで」としているが、実現性の高い空港やエリアにおいては可能な限り前倒しでの導入を目指すという。2021年度内には実証実験が開始される予定だ。並行して、2025年に向けて運用ルールの整備や見直しも進めていく。
実証実験が順調に進み、2025年の自動運転レベル4の実装目標が無事達成されるか、注目したい。
【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは?定義や呼称、市販車の車種は?できることは?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)