韓国の首都ソウルの呉世勲(オ・セフン)市長は2021年11月29日までに、「ソウル自動運転ビジョン2030(Seoul Selfp-driving Vision 2030)」を発表した。
公共交通に自動運転バスや自動運転タクシーなどを導入する計画で、自動運転が可能なエリアも徐々に拡げていく方針だ。まず手始めに2022年4月からソウル市内の清渓川で自動運転バスを運行させるという。
江南(カンナム)エリアでは2022年から自動運転タクシーを10台以上の規模で運行させ、2026年までに台数を100台以上にまで増やすという計画だという。
呉市長は、自動運転都市として2030年までに世界のトップ5に入る目標を掲げ、2022年から5年間で1,500億ウォン(約140億円)規模の投資を行うという。
■盛り返す韓国、自動運転車対応指数でも日本抜く
韓国はアメリカや欧州、中国、日本などに比べると、自動運転に対してアプローチを開始するのは比較的遅かった印象だ。
しかし、国際会計事務所のKPMGが毎年発表している「自動運転車対応指数」では2019年の13位から2020年には7位に順位を上げるなど、最近は普及に向けた準備を急ピッチで進めている。ちなみに日本は2020年は11位で、自動運転車対応指数で韓国に抜かれてしまった。
▼自動運転車対応指数(AVRI)2020
https://assets.kpmg/content/dam/kpmg/jp/pdf/2021/jp-autonomous-vehicles-readiness-index.pdf
市販車の自動運転化では、日本に軍配が上がった。ホンダが世界で初めて自動運転レベル3の車両を2021年3月に発売したからだ。一方、韓国の自動車大手ヒュンダイ(Hyundai)も2022年にレベル3搭載車を発売する計画を明らかにしており、来年には日本に追いつく見込みだ。
自動運転領域に関しては日本vs韓国といった狭い視点より、もっとグローバルな視点で開発競争が論じられるべきではあるが、韓国が最近になってこの領域で盛り返してきていることは間違いない。
【参考】関連記事としては「韓国ヒュンダイ、2022年に自動運転レベル3の市販車を発売へ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)