愛知県の「ステーションAi」、将来的に自動運転バスの拠点に?スタートアップ支援拠点

愛知県の大村知事、会見でほのめかす



世界最大級のスタートアップ支援拠点を目指す愛知県の「ステーションAi」を拠点に、将来的に自動運転バスを走行させる計画が浮上しているようだ。


愛知県の大村秀章知事が2021年度の自動運転の実証実験に関する記者会見で、名古屋市内などさまざまなエリアが実証地域になることに触れ、その最後に「ステーションAiも作りますのでね」と述べている。

恐らく、ステーションAiと名古屋市内の各エリアを結ぶ自動運転バスを走行させるという考えなのだろう。

■鶴舞周辺の幹線道路で実証実験をスタート

ステーションAiは名古屋市の鶴舞公園の南側に2024年までに整備される予定で、いまはまだ施設自体はない。一方、2021年度の自動運転の実証実験においては、実施エリアに鶴舞周辺の幹線道路が含まれている。

鶴舞周辺での実証実験はすでに開始されており、一般車両も走行する幹線道路で約3カ月間という長期間にわたって実施される。実験車両は仏Navya社製の「ARMA」で、信号での停止や発車の際は、車両に同乗する運転手がゲーム機のコントローラーで制御を行う。


実証実験の幹事会社は高速バス大手のWILLERで、名鉄バスや名古屋工業大学、ソフトバンク子会社のBOLDLYなどとともに、6社1大学で取り組む。各社の役割は以下の通りだ。

出典:愛知県プレスリリース
■「ステーションAi×自動運転バス」は自然な流れ

最後にステーションAiについて簡単に触れておこう。ステーションAiは、事業創出や技術創出を後押しする拠点となることが目指されており、スタートアップ1,000社の集積を想定している。建設・運営事業者としてソフトバンクが選ばれたことでも知られる。

また、ステーションAiの施設は地上7階建てで、ロボットやドローンが自由に稼働可能な空間も設けられるようだ。恐らく、施設内では自動配送ロボットなども活躍することになるのだろう。

そんなステーションAiを拠点に自動運転バスを走行させるという構想は、これまで自動運転の取り組みを積極的に進めてきた愛知県であるだけに、非常に自然な流れと言えそうだ。


▼愛知県「【知事会見】2021年度自動運転実証実験の実施について」
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/jisedai/jidounten-jisshi-2021.html
▼Aichi-Startup公式サイト ステーションAi紹介ページ
https://www.aichi-startup.jp/support/

【参考】関連記事としては「全国初!愛知県、「都市部×長期」の自動運転実証を実施へ」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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