小さな鍛冶屋から始まった浜松企業、自律走行ロボット開発に注力

SMHDとソミック石川、2021年末に商品化へ



出典:ソミックマネージメントホールディングス・プレスリリース

静岡県浜松市に本社を構える3社が、「自律走行ロボット」の開発で共同研究契約を締結した。自動車部品の製造などを手掛けるソミックマネージメントホールディングス(SMHD)と子会社のソミック石川、設備工事会社の日管の3社だ。2021年6月15日までに発表された。

SMHDはこれまで、重量物を積載しながら不整地走行が可能な自律走行ロボットの商品化に取り組んできた。今後は、建築土木事業やインフラ事業、不動産事業などに取り組む日管と実証実験に取り組むなどし、商品開発を加速させていくという。


報道発表では「駐車場管理業務の自働化を中心に、日管の各事業の現場へ、自律走行ロボットの導入ニーズを検証していきます」としている。

■1916年に創業、現在はAI技術を検査サービスに活用も

今回共同研究契約を日管と締結したソミック石川は1916年に創業した企業で、小さな鍛冶屋から事業を始めて自動車部品メーカーとなり、1989年には海外進出も果たしている。

そんなソミック石川と事業統括会社であるSMHDは「人の役に立つこと」をコンセプトに、自律走行ロボットやAI(人工知能)技術を活用した外観自動検査サービスの開発などを行っている。

同社が開発している自律走行ロボットは「SUPPOT」という名称で、最大200キロまで積載した状態で悪路や傾斜を難なく走行できる走破性が強みだという。商品化の目標時期は2021年12月としている。


ちなみに以下のページからは、SUPPOTが実際に走行する様子を閲覧することができる。凸凹道や林道も重量物を載せて難なく走行している様子が見て取れる。

▼自律走行ロボット「SUPPOT」|株式会社ソミックマネージメントホールディングス
https://www.somic-group.co.jp/business/suppot/

■開発競争が激しさを増す自律走行ロボット

現在、さまざまな企業が自律走行ロボットの開発に取り組んでおり、すでに開発競争は激しさを増している。そんな中でSMHDとソミック石川の自律走行ロボットがどのようなポジションを勝ち取っていくのか、引き続き注目していきたい。

【参考】関連記事としては「農業用自律走行ロボットを開発するレグミン、新たに資金調達!」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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