Googleの自動運転車、重傷事故「95%減少」

自動運転車の安全性が向上



出典:Waymoプレスリリース

Google系Waymo(ウェイモ)が公開した最新の安全性分析によると、同社の自動運転車「Waymo Driver」は、人間のドライバーと比較して、重傷以上につながる事故が95%少なかったという。

対象となったのは、2026年6月末までに米国各地で完全自動運転により走行した2億7,000万マイル(約4億3,500万km)以上に及ぶデータとなる。これは人間のドライバーによる運転に換算すると、300人分を超える生涯運転距離に相当する規模だ。


こうしたロボタクシーの事故率のデータの公表は、社会受容性の向上にもつながる。日本でもサービス展開・実用化に向けた取り組みが加速する中、積極的なデータ公表が求められる。

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■重傷事故は人間の20分の1に

Waymoによると、重傷以上につながる事故の発生率は、人間のドライバーと比較して95%減少した。Waymoはこれを「20倍少ない」と表現している。

具体的には、人間のドライバーでは100万マイル(約160万km)あたり0.213件だったのに対し、Waymo Driverは0.011件だった。Waymoの走行距離全体に当てはめると、人間のドライバーなら約58件の重傷事故が発生する距離で、Waymoでは約3件にとどまる計算となっている。

数字だけを見ても、自動運転が単なる運転支援の段階から、事故そのものを減らす技術へと進化していることが分かる。


▼Safety Impact|Waymo
https://waymo.com/safety/impact/

出典:Waymo公式サイト

■負傷事故も82%減少

さらに注目されるのが、重傷事故に限らない負傷事故全体の比較だ。

Waymo Driverが関与した負傷者を伴う事故は、人間のドライバーと比較して82%少なかった。Waymoの走行距離2億7,000万マイル以上を人間が運転した場合と比較すると、841件の負傷事故が少ないと推定されている。

Waymoはこの数字について、1件の事故につき少なくとも1人が負傷すると仮定し、少なくとも841人分の負傷が回避されたと説明している。


ただし、これは実際に特定の841人が負傷を免れたことを意味するものではなく、事故件数を比較した統計上の推定値だ。

■歩行者93%減・自転車86%減・二輪車82%減

安全性の向上は、自動車に乗っている人だけに恩恵が限定されない。

負傷事故を人間のドライバーと比較すると、歩行者が関係する事故は93%、自転車利用者が関係する事故は86%、オートバイ利用者が関係する事故は82%少なかった。

横断歩道を渡る歩行者や、自転車レーンを走る自転車利用者、交通量の多い道路を走行する二輪車など、事故時に身体が直接危険にさらされる道路利用者にとっても、自動運転の安全性向上は大きな意味を持つ。

■「検証に必要な走行距離」に迫る

今回の走行距離は、2016年に米シンクタンクのRAND研究所が示した自動運転車の安全性検証に必要な走行距離にも迫っている。

RANDは、米国の人間のドライバーと同等以上の安全性を統計的に示すには、死亡事故なしで2億7,500万マイルを走行する必要があると試算していた。

Waymoはすでに2億7,000万マイルを超えており、この基準にほぼ到達したことになる。

もちろん、Waymoのデータは同社自身が公開したものであり、米国の都市を対象としたものとなる。そのため、日本や欧州など、道路環境が異なる地域にそのまま当てはめることはできない。

■日本でのロボタクシー普及にも重要

日本でも将来的にロボタクシーの普及が期待されているが、自動運転技術の社会実装では本当に人間より安全なのかという疑問を払拭できるかが重要となっている。

特に、安全性を重視する日本では、単にAIが安全に運転しますと説明するだけではなく、人間と比較して事故が何%減ったのか、歩行者事故は何%減ったのかといった具体的な数字を示すことが、ロボタクシーに対する信用度や社会受容性を高めるうえで重要になる。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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