カーシェア満足度、トヨタが3年連続1位!「不動の首位」確立か

ライドシェアついても調査、結果は?



出典:Flickr / DennisM2 (CC0 1.0 : Public Domain)

カーシェアリングサービスに関する調査で、トヨタの「TOYOTA SHARE」が顧客満足度ナンバーワンを獲得した。

この調査はコンサルティング機関の株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区/代表取締役社長:山本浩二)が行ったもので、TOYOTA SHAREは3年連続首位となった。


■カーシェアサービスでTOYOTA SHAREが満足度トップ

出典:J.D. パワー ジャパン・プレスリリース

J.D. パワーは、直近半年以内にカーシェアリングサービスを利用した人を対象に2024年1月に「2024年カーシェアリングサービス顧客満足度調査」を行い、3,181人から回答を得た。

TOYOTA SHAREは、「各種料金」「サービスメニュー」「車両」「予約(ウェブページ/モバイルアプリ)」「コールセンター」の5つのファクターで最高評価を得て、総合満足度1位となった。2位は「オリックスカーシェア」、3位は「タイムズカーシェア」であった。

総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「各種料金」33%、「サービスメニュー」21%、「車両」、「予約(ウェブページ/モバイルアプリ)」各20%、「コールセンター」6%となっている。TOYOTA SHAREは全ての項目において満足度が高いという結果になった。

■カーシェア市場の満足度は下降傾向に

ただし、カーシェア市場全体の総合満足度スコアは、1,000ポイント満点中690ポイントで、2023年3月に行われた前回調査の702ポイントから12ポイント低下した。総合満足度スコアは、初回の2017年から2023年まで年々向上していたが、今回が初の低下になったという。


特に「各種料金」と「サービスメニュー」で大幅な低下となった。J.D. パワーは、一部のカーシェア会社が利用金額に応じた割引等を提供する優待サービスを廃止したことや、利用料金に応じて付与されるポイントの倍率を変更したことが満足度の低下を招いたと予測している。

なお2023年のランキングは、1位TOYOTA SHARE、2位オリックスカーシェア、3位カレコ・カーシェアリングクラブ(現:三井のカーシェアーズ)であった。2022年は、1位TOYOTA SHARE、2位オリックスカーシェア、3位タイムズカーという結果になっている。

■海外でのライドシェア経験者の7割「国内でも」

今回の調査では、カーシェア利用者に国内でライドシェアサービスが全面的に始まった場合の利用意向についても聞いている。

ライドシェアについて、「積極的に利用したい」9%、「機会があれば利用したい」39%、「あまり利用したいとは思わない」23%、「全く利用するつもりはない」11%という回答になった。


出典:J.D. パワー ジャパン・プレスリリース

その中でも海外でのライドシェアの利用経験者(14%)に限定した場合は、「積極的に利用したい」28%、「機会があれば利用したい」39%、「あまり利用したいとは思わない」15%、「全く利用するつもりはない」6%という結果となった。海外でのライドシェア経験者の約7割が、国内でも利用したいと思っていることが分かった。

また国内でライドシェアを利用したいシーンは、「旅行先での移動」が42%でトップ、「公共交通機関が不便な地域での移動」「荷物が多いときや荷物の運搬」各34%、「悪天候などで通常の移動手段が不便な際の移動」32%と続く。

■ライドシェア解禁は目前

政府は、2024年4月からライドシェアを部分的に解禁することを2023年12月に決定している。現在、各タクシーアプリが参入を表明し、タクシー会社ではライドシェアドライバーの求人が行われている最中だ。

カーシェアとライドシェアでは、運営形態や自分が運転するか否かという点など、そもそもの仕組みが全く異なる。しかし、クルマを「所有」するのではなく「利用」するという意味では、どちらも新しいモビリティのあり方になっていくと考えられている。

日本版ライドシェアのスタートが間近となったが、高い利用率をキープできるのか、ライドシェア開始によりタクシーやカーシェアの利用状況がどう変化していくか、気になるところだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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