数あるクルマのサブスクリプションサービス(サブスク)で利用者が増加中なのが、出光のカーリース「ポチモ」だ。
自動車メーカーやレンタカー会社、中古車販売店、保険会社など、さまざまな業界の企業によりサービスが展開されているクルマのサブスクやカーリース。その中でもポチモにはどんな特色があるのだろうか。利用方法や料金プラン、審査、評判などについて調べてみた。
【参考】関連記事としては「自動車のサブスク・リース、おすすめ厳選13社を徹底比較」も参照。
記事の目次
■ポチモのサービス概要
ポチモは、出光興産が運営する新車・中古車のカーリースサービスだ。主な特徴を5つ紹介する。
特徴1:取り扱い台数が多い
国産メーカー8社全てのクルマを取り扱っており、豊富な車種からクルマを選ぶことができる。また中古車サブスクについては、日本最大級の中古車流通プラットフォームを運営するオートサーバーと連携しているため、掲載台数が他社より多い。
なお2024年9月6日現在、新車は135台、中古車は8,538台が掲載されている。
特徴2:契約終了後にクルマがもらえる
新車、中古車ともにサブスクの契約終了後には、そのクルマをもらうことができる。ほかのクルマで新たに契約するなど、クルマが不要な場合はキャッシュバックサービスを受けることもできる。
ただし返還時の査定額により、キャッシュバックがない場合もあるため注意が必要だ。
特徴3:走行距離の制限なし
クルマのサブスクやカーリースでは、月間や年間の走行距離に制限がある場合が多い。しかしポチモは走行距離無制限となっている。距離を気にすることがなく、クルマの利用ができるのは大きなメリットだ。
特徴4:ウェブで手続き完了
見積もりや審査申し込みといった全ての手続きを、インターネット上で行うことができる。契約書や登録書類は郵送で行う。自宅への納車となるため、店舗に赴く必要がない。
自宅でゆっくり車種やオプションなどを検討でき、来店不要で手続きが完了するため、忙しい人にぴったりなサービスだ。
特徴5:ガソリンが7円引き
契約期間中は、apollostationでガソリンを入れると、月50Lまで値引き価格での提供となる。出光興産ならではのサービスだ。
ただし給油値引きには、apollostation card /まいどプラス(クレジットカード)の登録が必要になる。
■ポチモの利用方法は?
ポチモを利用するにあたり、どういった手順を踏むのか説明する。
手続きの流れについて
新車の場合、メーカーと車両タイプ、リース料金などを指定して検索する。燃費や排気量、定員、駆動方式なども指定可能だ。中古車の場合は、メーカーや車両タイプ、リース料金などのほか、走行距離や年式、評価点などでも検索できる。
クルマを選んだら「かんたん見積」を行い、その後「審査申込・結果回答」、「契約意思確認」、「契約書の発送・返送」、「登録書類の発送・返送」「自宅に納車」といった流れになる。
なお取り扱いメーカーと車両タイプは下記となっている。
メーカー(新車・中古共通) | トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバル、スズキ、ダイハツ、三菱 |
車両タイプ(新車) | 軽自動車、コンパクト、ハッチバック・ステーションワゴン、ミニバン、セダン、SUVクロカン、クーペオープン、トラック・バン |
車両タイプ(中古車) | ミニバン、クロカン・SUV、セダン、ステーションワゴン、ハッチバック、クーペ・オープン、ハイブリッド、軽バン、軽トラック |
契約終了後について
ポチモ契約期間は、新車で9年、中古車で2・4・6・8年となっている。
契約満了の際は、乗っていたクルマを「もらう」または「返却する」のいずれかを選択する。もらう場合は、所有者の変更を行う。さまざまな車種に乗ってみたい人は、中古車サブスクの2年を選択し、乗り換えていくという方法もありだろう。
■ポチモの審査の厳しさは?
ポチモでは、個人信用情報をもとに出光クレジット独自の基準で審査を行っている。複数会社審査を申し込みした場合は、出光クレジットおよびエース・オートリースにて審査を行う。
なお審査を受けるためには、希望の車両やリース期間、メンテナンスプランなどを選んだ上で申し込みする必要がある。つまり、車両を指定せずに審査のみを受けるということはできない。また無職の場合、70歳以上の場合、学生の場合などは連帯保証人をつける必要がある。
収入制限はないが、SNSでは「審査に落ちた」という声もあり、厳しめの審査を行っているとも言える。その分、会社の管理体制がしっかりしていると考えてもいいだろう。
■ポチモの料金プランは?
ポチモには、月々のリース料金をできるだけ抑えたい人向けの「メンテなしプラン」と、重要なメンテナンス項目をカバーする「マイメンテプラン」がある。
メンテなしプラン
車両代金、登録諸費用、自動車税環境性能割、自動車税種別割のみが含まれるシンプルなプランだ。その分月々のリース料金が割安になっている。なおメンテなしプランの場合、自賠責保険料と重量税は初回車検分のみとなっている。
マイメンテプラン
車両代金、車検、法定点検、オイル交換、税金・登録諸費用、定期点検(半年ごと)が含まれている。エンジンオイル交換は半年ごと、オイルエレメント交換は1年ごと、ブレーキフルード交換は車検ごとに実施する。ただし自賠責保険は含まれているが、任意保険は含まれていない。
メンテナンスなどは、全国1,200カ所以上のapollostationで行うことができる。加盟サービスステーションがない場合でも、近くの提携工場でメンテナンス可能だという。
■ポチモの車種人気ランキング
ポチモの現在の新車での人気車種について、公式サイトから参照する。目安として月額も記載する。価格は変動しているため、その都度確認しよう。
総合人気ランキング
- 1位:ホンダ「N-BOX」23,100円〜
- 2位:スズキ「スペーシアカスタム」23,430円〜
- 3位:ホンダ「N-WGN」19,580円〜
低燃費車ランキング
- 1位:トヨタ「プリウス」43,010円〜
- 2位:ー
- 3位:日産「オーラ」38,060円〜
ファミリー向けランキング
- 1位:ホンダ「N-BOX」23,100円〜
- 2位:トヨタ「カローラクロス」32,670円〜
- 3位:三菱「デリカミニ」25,410円〜
■ポチモの評判・口コミは?
ポチモについて、SNSなどでの評判や口コミを調べてみた。
「中古車の数では国内ナンバーワン」「契約中のガソリン割引が助かる」「走行距離の制限無しは珍しい」といったメリットについての声が多かった。
しかし「審査に落ちた」「審査に通ったが車両を確保できなかった」といったコメントもあった。審査に落ちたという声は、他社より多い印象だ。
■ポチモのメリットは?
公式サイトで新車を検索すると検索結果で中古車も出てくるため、新車と中古の比較が簡単にできる。中古車については日本最大級の取り扱い車数のため、自分にぴったりなクルマを探すことができるだろう。ウェブ上でのかんたん見積も便利だ。
契約終了後はそのクルマを自分のものにできるため、最初はポチモで利用、その後、自己所有のクルマになってから思う存分改造するという手もある。また昨今のガソリン代高騰の折、常に割引になるというのも心強い。
■ポチモのデメリットは?
新車の契約年数が9年固定のため、短期間のみ利用したい場合、ポチモでは中古車一択になる。新車にこだわり、転勤中や子どもの送迎が必要な時期に数年のみ乗りたいというニーズもあるだろう。もう少し契約期間の幅があれば、使い勝手がさらに良くなりそうだ。
またサブスクというと、クルマにまつわる費用が全てコミコミのイメージがある。しかしポチモはメンテナンスプランを追加しないと、車検などが含まれない。最初の契約の際に、各プランに何が含まれているかをよく確認しよう。
■まずは一度ポチモで検索してみよう
クルマのサブスクといっても、全ての項目が含まれているわけではない。また各社で含まれる項目がそれぞれ違ってくる。月々の支払いを定額にし、計画的にマネープランを立てたい人にはメンテナンスなどが全て含まれているプランがいいだろう。
逆に、車検などは行きつけの整備工場がある場合、メンテナンスが付いていないプランの方が自由度が高い。
利用年数や、どんな風に利用したいかによってサブスクがいいのか購入がいいのか、新車にするか中古車にするかなどが変わってくる。まずは一度、ポチモで検索してみてはいかがだろうか。
(初稿公開日:2024年3月8日/最終更新日:2024年9月8日)
【参考】関連記事としては「自動車のサブスク・リース、おすすめ厳選13社を徹底比較」も参照。
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