MaaS関連サービスを手掛けるスタートアップであるPathfinder株式会社(本社:東京都板橋区/代表取締役:小野崎悠介)はこのほど、片道専用レンタカー「カタレン」の東京〜京都間の新路線を開設した。これは首都圏発の長距離路線の第3弾となる。
カタレンは、日本初の出発店舗・返却店舗が固定の片道専用レンタカーのマッチングサービスだ。これまで、東京〜大阪、東京・神奈川〜成田、九州(福岡〜長崎〜鹿児島)、東京・神奈川〜名古屋と、路線を順次拡大してきた経緯がある。
■予約をLINEのみで完結
乗り捨てレンタカー「カタレン」は、予約をLINEのみで完結できるシステムになっている。乗降場所は各地点の特定の駐車場で、無人での車両の解錠と施錠はスマホアプリにて行うため、手軽に利用できる。
東京・神奈川〜名古屋・大阪・京都間の価格設定は、10時間5,000円〜、16時間8,000円〜、24時間1万円〜で、最大72時間までのプランが用意されている。
なお昨今の物価高騰の影響などにより、東京〜大阪路線と東京〜京都路線については7月初旬以降、休日料金を設定する予定だ。東京〜大阪の場合、平日10時間で5,000円のところ休日価格は7,500円になる。ただし東京〜京都については、7月限定実証実験価格として休日価格が5,500円に設定されている。8月以降については、状況を鑑みて再度改定を行う予定のようだ。
■「乗り捨て」という大きなメリット
今回新設された東京〜京都路線を東京から利用する場合、錦糸町にある駐車場が車両の受け取り場所で、返却するのは京都市中京区にある駐車場となる。
この区間を乗用車で走行する場合、高速道路を使って5〜6時間かかる。休まず行った場合は、平日の場合利用料5,000円で済む計算だ。
もし途中でどこかに寄ったり1泊したりした場合でも、24時間以内の利用だと1万円だ。京都に数日滞在し、京都内は公共交通機関で移動、東京への帰りもカタレンを利用したい場合は、東京から京都と、京都から東京という2つの予約を取ることになる。
一般的なレンタカーは同じ営業所での乗降になるため、京都滞在中も利用料金が発生し、さらに京都での駐車場代金もかかる。乗り捨てできるレンタカー会社も多いが、乗り捨て料金が加算されるため、割高になりがちだ。
使うときにだけ料金が発生するカタレンは、片道のみクルマを利用する場合だけでなく、何日か滞在する場合にも利用価値があると言えよう。
■豊田通商出身者が創業
カタレンを手掛けるPathfinderは、総合商社の豊田通商で自動運転に関するプロジェクトに携わっていた小野崎氏により2020年1月に設立された。カタレンのほか、回送・遊休車両マーケットプレイスの立ち上げなど、MaaS領域で移動のハードルを下げるための研究開発など幅広い取り組みを行っている。
カタレンについては、2023年9月までに東名阪九州における片道レンタカーの大動脈を構築することを目指しているようだ。そのほか、北海道や九州、関西空港、仙台、長野、広島、大阪市南部、北関東などでの展開も検討しているという。
さらなる路線拡大が期待されるカタレンと、それを手掛けるPathfinderに今後も注目だ。
【参考】関連記事としては「次世代交通MaaSのカギは「乗り捨てレンタカー」 Pathfinderが事業拡大」も参照。