東急と東急バスは神奈川県の多摩田園都市エリアにおいて、自動運転車両の遠隔監視による運行管理の実証実験を2023年3月7日〜13日に実施する。
近隣住民なども試乗でき、アンケートやインタビューを通じて洗い出した移動に関する課題やニーズの解消を目指していくという。
交通量の多い道路や狭い道路を走行予定であることにも注目だ。
■交通量の多い道路や狭い道路を走行予定
多摩田園都市などの郊外住宅地では高齢化が進んでおり、起伏の多い丘陵地帯が多いため、移動に関するきめ細かいサービスが求められる。また運輸・物流業界ではドライバー不足や高齢化が問題となっている。
東急はその問題解決のために、2020年から遠隔監視に自動運転技術を組み合わせる新しい技術の検証を行っているという。すでに2022年には同エリアで自動運転の技術実証を実施済だ。今回の実証では、東急バス虹ヶ丘営業所内に配置された遠隔監視設備に1人の遠隔監視者を据え、1台の自動運転車両の運行管理が可能かどうかを検証するという。
実証期間中は3月10日の運休日を除き、10時〜16時の間、1日2便運行する。乗車にはLINEによる事前予約が必要で、3月1日からLINEの予約サイトで受付が始まるようだ。1便に6人乗車でき、運賃は無料だ。
■検証項目は「自動運転」など3つ
検証項目は「遠隔監視」「自動運転」「サービス・その他」の3つとなっている。
自動運転の検証では、交通量の多い道路や狭い道路において、最高速度19キロの自動運転車が運行することで、一般車両との協調が可能かを検証する。また、既存のバス路線が運行していない区間を補完する立場として、新たな移動サービスの可能性も検証するという。
ちなみにエリアは川崎市麻生区虹ヶ丘地区・横浜市青葉区すすき野地区付近で、区間は「東急バス虹が丘営業所~すすき野とうきゅう~東急バス虹が丘営業所」となっており、交通量の多い道路や狭い道路が含まれているようだ。下記の走行ルート図も参考にしてほしい。
将来的には1人の遠隔監視者が複数台の自動運転車両を運行管理することを目指すようだ。
■検証エリアでの自動運転の進展に注目
混雑道路や狭い道路において最高時速19キロで走行する自動運転車を遠隔で管理する本実証を経て、多摩田園都市エリアにおける自動運転の取り組みがどう進展していくのか、引き続き注目していきたい。
【参考】関連記事としては「自動運転で「次世代郊外」!東急が多摩で実証実施」も参照。