まずは何も考えずに以下の動画を観てほしい。空飛ぶクルマなのだが、「ドローンっぽい」空飛ぶクルマとは全く違う、「クルマっぽい」空飛ぶクルマだ。
このYouTube動画が2021年6月29日に公開され、公開から2週間程度で再生回数は420万回にも上っている。民間企業が開発する自社製品の紹介動画としては、かなりバズっている方だと言えるだろう。
■中欧スロバキアのKlein Visionが開発
この空飛ぶクルマを開発したのは、中欧スロバキアのKlein Vision(クレイン・ビジョン)という2017年設立のスタートアップだ。
約3分間のYouTube動画では、芝生が広がる地面から機体が空に飛び立つ様子が紹介されている。大きく揺れることなく安定した飛行を続け、その後、着陸態勢に。着陸後は、レーシングカーのようなデザインの車に変形し、街中に走り出していく。
映像で登場する空飛ぶクルマは、同社が開発中の空陸両用車「エアカー」試作機で、2021年6月28日、スロバキアの2つの空港間の約70キロをおよそ35分で飛行し、初の都市間有人飛行を成功させたという。
運転は同社のステファン・クレインCEO(最高経営責任者)が自らが行った。飛行高度は最大で約2,500メートルに到達し、最高時速は約190キロに及んだようだ。
■クレインCEO、まるで現代のライト兄弟
クレインCEOは長年、空陸両用車の開発に取り組んできた人物だ。過去には別なスタートアップに在籍中、テスト飛行に失敗し、パラシュートで危機一髪生還した経験がある。その後、クレインビジョンを創業したという。
失敗を恐れずに立ち向かう・・・。その姿はまるで、現代のライト兄弟のようだ。今後クレインCEOは、飛行速度時速300キロの試作2号機の開発に乗り出すという。中央ヨーロッパのスロバキアで開発を没頭するクレインCEOに、今後も注目していきたい。
【参考】関連記事としては「「空飛ぶクルマ」とは?2020年代に実現へ!基礎知識や開発企業を紹介」も参照。