秋田県仙北市は2021年5月13日までに、内閣府が公募している「スーパーシティ」構想に応募したことを発表した。この記事では仙北市が提出した提案書「しあわせな未来のいなか」の概要を解説する。
ちなみに内閣府のスーパーシティ構想とは、先進的な情報通信技術などを活用して市民が豊かで便利に暮らせる未来社会の実現を、地域と事業者と国が一体となって目指す取り組みだ。各自治体からの提案に対する審査・検討を経て、採択プロジェクトが決まる。
▼仙北市 「しあわせな未来のいなか」の概要
https://www.city.semboku.akita.jp/file/8673.pdf
■2030年度までに全自動運転・配達
「しあわせな未来のいなか」構想では、「健康長生き」「稼げる農業」「つながる観光」「便利な移動」「どこでも市役所」の5つの取り組みテーマが掲げられている。自動運転ラボとして注目したいのが、このうち「便利な移動」だ。
便利な移動を実現することで「人やモノが自由に移動できる街」を目指すとし、「MaaS推進 」「人とモノの移動の最適化」「全自動運転/配達」の3段階での発展を見込んでいるようだ。ちなみにこの取り組みの事業推進はソフトバンクが担うと紹介されている。
2021年度からの最初の段階は「MaaS推進」だ。バスや電車、タクシーなどの利用時にルート検索から支払いまでをシームレスにスマホアプリで完結できる乗車・配送プラットフォームを整える。
2023年度からの次の段階は「人とモノの移動の最適化」で、AI(人工知能)による需要予測で出荷や配送を適切に管理・自動手配し、配達プラットフォームを通して生産者と消費者をタイムリーにつなぐ。
2030年度までには「全自動運転・配達」を目指し、自動運転やAI(人工知能)オンデマンドバス、ドローンによる自動配達などの高度なサービスを実現すという。
■「自動運転」や「MaaS」は欠かせないピース
仙北市はスーパーシティ構想について「市民の利便性・安全性向上につながる先端サービスと、地域産業の活性化や地域資源の魅力向上サービスにより、近未来の中山間地域の豊かな暮らしの実現を目指す」としている。そのためのピースとして「自動運転」や「MaaS」が重要な役割を果たす。
まずは仙北市の提案が国に採択されることになるのか、注目したい。
【参考】関連記事としては「「自動運転シティ!」と叫びたくなる愛知スーパーシティ構想とは」も参照。