米電気自動車(EV)大手テスラが新たに一部で導入した「スマート・サモン(Smart Summon)」機能が議論を呼んでいる。
このスマート・サモン機能は、スマートフォンを使って自分の車を自動運転技術で呼び寄せるというものだ。Twitterなどではほかの車と衝突した事例が相次いで報告される一方、「Beautiful!」「Great!」などと賞賛の声も多い。
アメリカ運輸省の道路交通安全局(NHTSA)が調査に乗り出しているが、果たしてまだユーザーに提供するのは時期尚早なのかそうでないのか。
■バック中にほかの車両と衝突、あわやの場面も
衝突事故をTwitterで報告したDavid F Guajardoさん(@DavidFe83802184)は、駐車場で自らがオーナーのテスラ車を呼び寄せようとしたが、車両が駐車場所からバック中にほかの走行車両に追突したと説明している。
またRoddie Hasanさん(@eiddor)は駐車場に停めてあったテスラ車を呼び寄せようとしたところ、道路を走行中の自動車にあわや衝突しそうになった様子を投稿している。走行していた車が急ブレーキをかけたため衝突こそしなかったものの、動画の中ではその様子を見ていた女性の「Huuu, Oh my god」という声も入っている。
■無事に人との衝突を回避した成功例も
ただTwitter上では肯定的な意見も多い。例えばT SLA Maniaさん(@Tesla__Mania)は、スマート・サモンで呼び寄せ中のテスラ車が、車両の前に実験的に飛び出した男性に衝突しなかった映像を投稿し、「スマート・サモンは彼に衝突しなかった!!!」とツイートしている。
また、米シアトル在住で「Windows95を設計した日本人」としても知られる中島聡氏(@snakajima)もスマート・サモンについて投稿しており、動画付きで「Tesla の Smart Summon。ボタン一つで、自動車が自分のところまで迎えに来てくれる。まだベータ版だけど、結構使える」とツイートしている。
【参考】関連記事としては「【インタビュー】中島聡氏「若者に刺激とメッセージを」 シンギュラリティ・ソサエティ、テーマに「自動運転」」も参照。
■【まとめ】注目のNHTSA調査、機能は一層進化へ
そのほか、誰も運転していないのにテスラ車が動いている姿にとまどう人もいるようだ。vandyishさん(@vandyish)のツイートの動画では、親切な男性が呼び寄せ中のテスラ車を止めようとしている様子が映っている。撮影主が「It’s Okey」と言うまで、男性は状況を理解できなかったようだ。
今回のスマート・サモン機能は車載ソフトウェアの更新で一部の顧客向けに提供されているものだが、NHTSAの調査で何らかの欠陥が見つかれば正式リリースは延期される可能性もある。
ただTwitter上ではテスラのこうした先進的な取り組みを評価する声も多い。いずれにしても事故の実例などを通じてこのスマート・サモン機能は一層進化していきそうだ。
【参考】関連記事としては「米テスラ、2020年に100万台規模で自動運転タクシー事業」も参照。