ドイツ勢の自動車部品最大手ボッシュと自動車メーカー大手ダイムラーは2018年7月18日までに、自動運転車両によるシャトルサービスの実証実験を米カリフォルニア州のシリコンバレーで2019年後半から行うと発表した。完全自動運転車の開発でタッグを組む両社共同での初実証実験となり、両社の集大成が全貌を現すことになりそうだ。
両社は完全自動運転車の開発に向け2017年4月から協業しており、独シュトゥットガルト近郊やシリコンバレーの開発拠点ではエンジニアが机を並べて共同作業している。
実験車両は、ボッシュが開発したセンサーやコントロールユニットを組み込んだバッテリー駆動のダイムラー車を使用する。センサーから送られる膨大な量のデータを処理するAI(人工知能)プラットフォームには、米半導体大手エヌビディア製品が採用された。
エヌビディアは、高性能なAIプロセッサを搭載したプラットフォーム「Drive Pegasus」と、ボッシュとダイムラーがマシンラーニング(機械学習)で作成した運転アルゴリズムを処理するシステムソフトウェアを提供する。演算回数は毎秒数百兆回に達する見込みで、これは6台以上を相互接続した最先端のコンピューターワークステーションの処理能力に匹敵するという。
世界最大手の部品サプライヤーで、自動運転の開発においてもさまざまな場面で活躍するボッシュ。そのボッシュが主体的に携わる今回の実証実験は注目度が高く、同社の集大成が全て込められた自動運転車両がお披露目されるかもしれない。
【参考】エヌビディアのAIプラットフォームについては「ドイツ勢のボッシュとダイムラー、無人自動運転車にエヌビディア製AI採用|自動運転ラボ