神童と謳われた23歳オースティン・ラッセル氏が最高経営責任者(CEO)を務める米スタートアップ企業のルミナー・テクノロジーズ(Luminar Technologies)が、スウェーデンの自動車メーカー大手ボルボとの取引を開始することが2018年6月、明らかとなった。
報道などによると、ルミナー社がボルボ社に納品するプロダクトは、自動運転車の「目」とも呼ばれる周辺環境認知センサーのLiDAR(ライダー)や、AI(人工知能)を活用した自動運転向けのソフトウェア。ボルボ社がルミナー社に出資を行うという情報もあるが、出資金額などについては明かされていない。
ルミナー製LiDARは低価格であることが強みの一つとされている。これまでLiDARは自動運転のコアセンサの中でも特に高額であったため、市販・量産化に向けてネックの一つとなってきた経緯があり、世界的にルミナー製LiDARへの関心が高まっていた。
【参考】LiDAR開発の最新状況については「自動運転の「目」は800万円!?次世代センサーLiDARの最前線を追う|自動運転ラボ
■トヨタ・リサーチ・インスティテュートともパートナーシップ
ルミナー社はトヨタがシリコンバレーに開設したトヨタ・リサーチ・インスティテュートと既にパートナーシップを結び、共同でLiDARの開発を進めている。今回のボルボとの取引は、ルミナー社にとってはトヨタとのパートナーシップ締結に次いで2社目の大口プロジェクトとなる。
ルミナー製LiDARの生産可能台数は3カ月で5000台程度と見込まれており、LiDAR業界大手のペロダインに比べると生産能力は低いとされる。しかし報道などによれば、ラッセルCEOは「世界で稼働する自動運転の試験車両に搭載させるには十分」と強調している。
進化を続ける自動運転技術において、若き天才がどこまで活躍していくのか。その動向に目が離せない。