ドイツ自動車メーカーのフォルクスワーゲン(VW)グループは、中国市場において新たな投資を行うようだ。報道などによると、中国の合弁パートナーとともに2022年までの4年間で、自動運転やモビリティ事業などの推進を目的に約150億ユーロ(約1兆9000万円)規模を投資する計画という。
VWグループは2018年5月28日、数カ月以内に中国国内に新たに3工場を開設することも発表した。新エネルギー車(NEV)と呼ばれる電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車の生産を進め、2025年までに中国国内で150万台を発売する計画だ。
中国政府は二酸化炭素の排出量削減について厳しいルールを定めており、今後さらにNEVの導入を進めたい考えを示している。新工場の開設でフォルクスワーゲングループは中国国内におけるさらなる飛躍をねらう。
VW中国の中国国内での売上シェアは世界のほかの国と比べても高く、伸びも好調だ。2018年第1四半期の新車販売台数は、VWと合弁会社2社のブランドを合わせて前年同期比13.4%増の89万1500台を記録し、中国国内における乗用車販売でトップシェアを記録している。
VWグループは現地生産を強化しながら自動運転戦略やモビリティ戦略をさらに加速させ、巨大市場中国における将来的な事業シェアを高めていきたい考えとみられる。
ライドシェア大手DiDiとの合弁設立も
VWグループは2018年4月、中国のライドシェア最大手である滴滴出行(DiDiチューシン)と合弁設立についての協議を行っている。報道などによると、合弁設立後はVWグループが滴滴出行のライドシェアサービス専用車の一部を供給する。
滴滴出行は、将来的に自社で保有する車両の多くをEVにする方向性を示している。そのためEV開発を加速させるVWグループとの合弁会社の設立は、滴滴出行にとってもメリットが大きいとみられる。
【参考】滴滴出行については「ライドシェア中国大手の滴滴出行、カーシェア企業連合を結成 トヨタなど31社が参加|自動運転ラボ