ヤマトホールディングス株式会社(本社:東京都中央区/代表取締役社長:長尾裕)は2020年12月10日までに、中国で自動運転配送ロボットを開発・事業展開するYours Technologies社への出資を決めたことを発表した。
ヤマトホールディングスはYours Technologiesとの技術交流を進め、日本国内での自動配送ロボットへの活用に向け検討していくという。
■ロボット導入契約を多数結んでいるYours Technologies
今回のYours Technologiesへの出資は、ヤマトホールディングスのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンドである「KURONEKO Innovation Fund」(KIF)が出資する第1号案件となる。
2018年に創業したスタートアップ企業のYours Technologiesは、自動配送ロボット分野における高い技術力から、すでに北京の50カ所以上のショッピングモールなどとロボット導入契約を結んでいる。
Yours Technologiesの強みの1つが、物体の3D輪郭の抽出精度の高さだ。物体の輪郭の抽出性度の高さは自己位置の特定や高精度デジタル地図の作成において役立つ。
■自動運転技術の開発スタートアップに積極的に投資!?
今回Yours Technologiesへの出資を決めたKURONEKO Innovation Fundは、2020年4月にベンチャーキャピタル(VC)のグローバル・ブレインと共同で設立されたファンドだ。
ファンド規模は50億円で運用期間は10年間。物流やサプライチェーンに変革を起こしうる革新的な技術やビジネスモデルを有するスタートアップ企業を投資対象とし、ヤマトホールディングスとの協業が見込める企業を積極的に探していくとしている。
物流業界では、高齢化による人手不足やEC(電子商取引)の普及による配送需要の増加から、自動運転技術の活用に対する期待感が高まっている。そうした中、KURONEKO Innovation Fundも今回のYours Technologiesへの投資を皮切りに、自動運転技術の開発スタートアップに積極的に投資していくことが予想される。
■ヤマトがどの開発企業と組むかについても注目
また将来、自動運転宅配ロボットの開発企業にとっては、宅配大手のヤマトホールディングスが国内最大級の買い手となる可能性が高いことから、ヤマトホールディングスと組んだ開発企業が国内の宅配ロボット市場で大きなシェアを獲得することはほぼ間違いない。
そういった観点でも、最終的にヤマトホールディングスがどの開発企業と組むかについても注目しておきたいところだ。
【参考】関連記事としては「ラストワンマイルとヤマト運輸、向かう方向性は? 新たな物流の仕組み導入?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)