トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市/代表取締役社長:豊田章男)は2020年4月21日までに、国内最大シェアの救急車向け車両「ハイメディック」を一部改良したモデルを、6月26日に発売することを発表した。
今回の一部改良では、車両後方の映像を外から見ているような視点でナビゲーション画面に表示する「パノラミックモニター」を採用するなど、視認性が向上した。
加えて、トヨタのADAS(先進運転支援システム)と言える衝突回避支援パッケージ 「Toyota Safety Sense」のほか、「VSC(車両安定制御システム)」「TRC(タイヤ空転抑制機能)」などを標準装備し、衝突防止性能がより一層高まった。
■標準搭載の機能「Toyota Safety Sense」とは?
新たに発売するハイメディックに標準装備される「Toyota Safety Sense」は、さまざまな機能を統合した衝突回避パッケージだ。具体的には以下の3つの機能が組み合わさって提供される。
・プリクラッシュセーフティシステム
〜歩行者を検知して衝突しそうな場合に自動でブレーキをかける
・レーンディパーチャーアラート(車線逸脱警報)
〜白線を認識して白線から逸脱しそうな場合はドライバーに知らせる
・オートマチックハイビーム
〜夜間走行時に対向車を認識してハイ・ロービームを自動で切り替える
■「VSC」「TRC」はどんな機能?
VSCはセンサーで横滑りを感知し、自動でブレーキやエンジン出力を制御する安全機能だ。カーブでのスリップや急にハンドルを切った場合に作動する。例えば、スピードの出し過ぎでカーブが曲がりきれない場合、車体を内側に向けるように制御する仕組みだ。
一方でTRCはセンサーでタイヤの回転数を感知し、タイヤの空転や横滑りを防止する安全機能だ。オーバースピードでカーブを曲がる場合や凍結した路面での走行時に有効となる。
■【まとめ】救急車の安全性能の進化にも注目
救急車の事故は搬送中の患者の人命を左右する。今回の一部改良により救急車がより事故を起こしにくくなったため、救急搬送の現場への貢献度は大きい。一般向けの車両の進化に加え、救急車の安全性能の進化にも今後も注目していきたい。
【参考】関連記事としては「自動運転のAIは救急車のピーポー音をどう認識するか LiDARやカメラは「音」は守備範囲外」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)