トヨタ自動車の2022年3月期の第1四半期決算(2021年4月〜2022年3月)が、2021年8月4日に発表される。今のところ決算説明会の中継などについて発表されていないが、当日中継されるかどうかは、直前までトヨタの公式サイトなどをチェックして確認するようにしたい。
2022年3月期の最初の四半期の決算では、どのような数字や方針が発表されるのか。自動車販売台数や業績などについては大手メディアや自動車メディアに予想を譲るが、自動運転ラボとしては、自動運転やコネクティッドなどの先進技術領域での発表があるか、注目している。
▼トヨタ自動車IRページ
https://global.toyota/jp/ir/library/
■気になるトピックスは3つ
自動運転やコネクティッド関連で気になるトピックスとしては3つだ。
選手村でのe-Paletteの稼働状況
まずは東京五輪の選手村で活躍している自動運転車「e-Palette」の導入状況。スムーズに運行されているのか、実際に選手からはどのような声が聞かれているのか、トラブルなどは無かったのか、興味は尽きない。ちなみに選手村では五輪仕様のe-Paletteが走行している。
【参考】関連記事としては「トヨタe-Palette、自動運転で選手村の「足」に!SNSで世界に拡散」も参照。
「Woven City」の建設の進捗
続いては、コネクティッドシティ「Woven City」の建設の進捗についてだ。Woven Cityは2021年2月に地鎮祭が行われ、本格的な建設工事のスタートを切った。Woven Cityでは自動運転車が走行する地上の道と地下の道が敷設される。スマートシティの工事では道路はかなり早い段階で敷設されるため、もしかすると自動運転車が走行する地上の道はすでに完成しているのかもしれない。
【参考】関連記事としては「トヨタのWoven City着工!自動運転やAI技術の「ショーケース」にもなる!?」も参照。
市販車への自動運転機能の実装時期
そして3つ目は、市販車への自動運転機能の実装時期についてだ。ホンダはすでに2021年3月に自動運転レベル3の機能を搭載した新型LEGENDを発売している。トヨタはレベル3搭載車の発売目標時期を明言したことがない。しかし、開発を進めていることは確かで、そろそろ目標時期に明言するかも。
【参考】関連記事としては「2020年、トヨタは「自動運転レベル3」発売のホンダを静観する?」も参照。
■トヨタの動きを引き続きウオッチ
残念ながら最近の決算発表では、あまり自動運転などの先進技術について、時間を割いて説明されることは少ない。まだ大きな売上が発生しているわけでもなく、研究開発費はかなりの額が投じられているものの、業績に与える影響がそこまで大きくないからだ。
しかし、自動運転やコネクティッド、Woven Cityの取り組みは確実に前進している。今後も引き続き、トヨタの動きをウオッチしていきたい。
【参考】関連記事としては「トヨタ「自動運転・MaaS系」非上場子会社、決算6社まとめ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)