トヨタ自動車(本社:愛知県豊田市/ 取締役社長:豊田章男)は2019年11月7日、2020年3月期の第2四半期決算(2019年7〜9月)=米国基準=を発表した。
第1四半期からの累計の売上高は前年同期比4.2%増の15兆2855億円、営業利益は同11.3%増の1兆4043億円、純利益は同2.6%増の1兆2749億円となった。
2020年3月期の通期決算の見通しも発表し、売上高は前期比2.4%減の29兆5000億円、営業利益は同2.7%減の2兆4000億円、純利益は同14.2%増の2兆1500億円になると予想している。
■新分野に自ら挑戦…「大変革時代」の人財像に言及
自動運転やコネクテッドカーなどCASE領域に力を入れているトヨタ。決算発表と同時に公表した競争力プレゼンテーション資料の中では「大変革時代の人づくり」と題し、CASE時代に目指す人財像の一つに「新分野に自ら挑戦し、やり切る、タフな人財」を掲げた。
自動運転技術やコネクテッド技術はまさにこれから自動車メーカーが切り開いていく新分野であると言え、CASE事業の強化も念頭に入れた方針であると考えられる。GoogleやAppleなどの大手IT企業も同領域に続々参入する中、「タフ」さが求められるのもうなずける。
【参考】関連記事としては「トヨタのCASE戦略とは?コネクテッド、自動運転、シェアリング・サービス、電動化」も参照。
またこの資料の中では「アライアンスの時代」「アライアンスでも人が大事」とも強調されている。そしてそのことが説明されているページの中では、自動運転やMaaSを事業領域とする「MONET Technologies」の設立会見でソフトバンクグループの孫正義会長とトヨタの豊田章男社長が握手している様子が紹介されている。
CASE時代、自動車メーカーはさまざまな要素技術の開発やサービス開発を進める必要がある。ただそれら全てを網羅するのは企業1社単独では難しい。そんな中でのアライアンスに関するこうしたトヨタの説明は、今後も積極的に他企業との連携を加速させようという意思表示と受け止めることもできるだろう。
■第3四半期に入り、五輪仕様のe-Paletteなど公開
トヨタが同日発表した第2四半期の決算関連資料は以下の通りだ。
▼決算要旨
https://global.toyota/pages/global_toyota/ir/financial-results/2020_2q_summary_jp.pdf
▼決算報告プレゼンテーション資料
https://global.toyota/pages/global_toyota/ir/financial-results/2020_2q_presentation_jp.pdf
▼競争力プレゼンテーション資料
https://global.toyota/pages/global_toyota/ir/financial-results/2020_2q_competitiveness_jp.pdf
トヨタは最近、競争力強化に向けた取り組みとして、スズキとの資本提携に関する合意書の締結(8月)やSUBARUとの新たな業務資本提携の合意(9月)などをまとめたほか、東京モーターショー(10〜11月)では来年の東京オリンピックでお披露目する低速自動運転EV(電気自動車)「e-Palette」なども発表している。
次の第3四半期決算では来年のオリンピックに関する取り組みにも触れられるかもしれない。第3四半期の決算発表は2020年2月上旬になる見込みだ。
【参考】関連記事としては「【速報】トヨタ2019年4~6月期決算、純利益3.9%増の6829億円 自動運転含むCASE見据えリソーセスシフトへ」も参照。