自動運転の「セカンダリアクティビティ」とは?(2024年最新版)

テレビ・映画鑑賞、食事、睡眠、会議、ゲーム…

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日本で自動運転レベル3(条件付き運転自動化)が解禁され、世間で「自動運転」への関心はより一層高まった。ホンダレベル3の市販車を2021年3月に発売し、自動運転への注目度はますます高まっている。

レベル3の段階ではまだ運転手は運転から完全に解放されるわけではないが、自動運転中に可能になることが技術革新や法規制の緩和とともに今後増えていくことになる。

自動運転中に運転手ができる運転以外の行為は「セカンダリアクティビティ」と呼ばれる。この記事では「完全自動運転時代」に可能となるセカンダリアクティビティについて考えてみよう。(※編注:レベル3でできることに限定した話ではないのでご注意下さい)

<記事の更新情報>
・2024年4月15日:ODDについて追記
・2020年4月13日:記事初稿を公開

■自動運転とODD

セカンダリアクティビティについて理解するためには、「ODD」についての知識が必要だ。

ODDとは「Operational Design Domain」の略で、日本語では「運行設計領域」と訳される。自動運転システムが作動できるのはこのODDの範囲内に限定され、つまりセカンダリアクティビティはこのODDの範囲内においてのみ運転手に許される行為のことを指すことになる。

ちなみに完全自動運転の場合はODDは定義されない。どこでもいつでも自動運転が可能な水準が完全自動運転だからだ。

【参考】関連記事としては「自動運転とODD」も参照。

■完全自動運転で可能なセカンダリアクティビティは?

通勤と帰宅中を「睡眠」に充てられる

自動運転中、「睡眠時間を確保したい」という人が多いのではないだろうか。勤務地までクルマで1時間をかけて通勤していた人は、その時間をそのまま睡眠時間にできる。帰宅するときも寝れば、1日2時間の睡眠をプラスで確保することができる。

楽な姿勢で両手で「食事」が可能に

完全自動運転中なら、ハンドルから手を離して両手を使って食事をすることができる。そもそもハンドルに身体を向ける必要がないため、食べるときの姿勢も楽だろう。(完全自動運転ではそもそもハンドルが無くなるかもしれない)

到着時間までの「テレビ・映画鑑賞」も

「よし、到着まで1時間あるな。あのドラマを観よう」——。完全自動運転車では、到着時間まではのんびりとテレビや映画鑑賞が楽しめる。

こうなる将来を予測して、自動車のガラス面を丸ごとディスプレイ化するといった技術の開発を手掛け始めている企業も既に出てきている。完全自動運転時代には自動車がまるごとエンターテインメント空間になるのだ。

移動時間中をそのまま「仕事時間」に

この現代においては、多忙なビジネスマンの中にはタクシーを利用することによって少しでも仕事時間を確保しようとしている人もいるだろう。タクシーに乗れば移動中も後部座席に座ってパソコンを開いて仕事が十分にできるからだ。客であれば車内で電話をしてももちろん「ながら運転」にはならない。

完全自動運転車であれば、タクシーの車内ではなくてもこういったことが可能になる。完全自動運転車は多忙なビジネスマンにとっては必需品となるかも。

もちろん「ゲーム・カラオケ」なども

完全自動運転車で移動している最中は、ゲームやカラオケでも遊べる。世界シェア拡大をうかがうEV(電気自動車)大手の米Teslaテスラ)はこうした将来を見越してか、車載カラオケや車載インフォテインメントシステム用のゲームを展開している。

■【まとめ】自動運転レベルの向上でできることはどんどん増える

完全自動運転車であっても車両の故障などはありえるし、「飲酒は認められるのか」などの議論もあるが、原則的に人が運転をしなくて良ければ車内でできることは非常に増えることは確かだ。

既に解禁された「レベル3」ではシステムの交代要請にすぐに対応する必要があるため可能なことは限られるが、自動運転レベルが高まっていくにつれて自由度はもっと増していく。

【参考】自動運転レベルの定義については「自動運転レベル0〜5まで、6段階の技術到達度をまとめて解説」も参照。

■関連FAQ

(初稿公開日:2020年4月13日/最終更新日:2024年4月15日)

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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