倉庫や工場向けの自律走行配送ロボットを開発・提供する米OTTO Motorsは2020年2月12日、日本市場に本格的に参入することを発表した。
同社は米オンタリオ州に本社を構えており、北米における事業に力を入れてきた。報道発表によれば、北米以外の国への参入は日本が初めてで、日本の専門商社アルテックと提携することで日本の物流企業や製造企業への製品展開に力を入れていくようだ。
OTTO Motorsは、カナダの自動走行車両メーカーClearpath Roboticsの産業部門という位置付け。アルテックは過去にClearpath Roboticsと販売代理店契約を結び、OTTO製品の国内販売をスタートさせていた。既に日本国内で導入実績があるという。
OTTO Motorsのリチャード・ベイカー最高収益責任者(CRO)は「アルテック株式会社との提携はOTTO Motorsにとって大きな前進になる」と強調している。アルテックの陶山秀彦常務は「日本市場でOTTO自律型搬送ロボットは、多くの業界での需要が見込まれております」と述べている。
■自律走行搬送ロボ、日本や世界で開発企業が続々
自律走行型の搬送ロボットは、労働力不足が深刻化する日本においては特に倉庫や工場が抱える課題の緩和に貢献する。導入コストは掛かるものの長期的にみれば人件費の削減につながり、導入方法によっては搬送業務の効率アップも見込めるはずだ。
こうした需要を見越し、最近ではOTTO Motorsのように物流倉庫や工場向けの自律走行ロボットを開発している企業が増えてきている。
日本で言えば自動運転ベンチャーのZMPやロボットベンチャーのDoogのほか、大手企業でパナソニックやオムロン、日立製作所も開発・製造に力を入れている。海外では中国のEC大手・京東集団やアリババ傘下の物流会社・菜鳥網絡、アメリカではOTTO MotorsのほかAmazonなども同領域の注目企業の1社だ。
国際ロボット連盟によれば、産業用ロボットの市場は世界的に増加しており、2013年から2017年で販売台数は2倍になった。その全てが自律走行ロボットというわけではないが、技術の進化も背景にこうした自律走行ロボットの需要は今後ますます拡大していきそうだ。
【参考】関連記事としては「無人倉庫の鍵は「自動運転ロボット」 世界と日本の最新状況まとめ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)