MaaSでのデータ連携促進へ、静的バス情報フォーマットを改訂

バス停の標柱の位置データ「原則として必要」に

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MaaSにおけるデータ連携を促進させることを念頭に、国土交通省は2021年8月10日までに、「静的バス情報フォーマット」(GTFS-JP)を改訂した。

国土交通省はバスに関する情報を、経路検索に必要な時刻表や運行経路などの「静的情報」と、遅延情報や位置情報などリアルタイムで変動する「動的情報」に分けている。

今回改訂されたのはこのうち「静的情報」に関するもので、「停留所と標柱(※バス停のポール)」や「経路などの設定方法」、「多言語・ふりがなの設定方法」などについて改訂を行った。

■標柱の位置データ、「原則として必要」へと変更

例えば「停留所と標柱」に関しては、標柱の位置データの作成をこれまでは「任意」としていたが、「原則として必要」と変更した。また「多言語・ふりがなの設定方法」については、バス停や経路などのIDを国際仕様に合わせた。

出典:国土交通省

やや内容が専門的なため、詳しくは以下のページを参照頂きたいが、MaaSによってさまざまな交通機関の情報を一元化する際、より細かな情報がデータ化されていることや、データ形式が国際標準に準拠していることは、非常に重要となるのは言うまでもない。

▼「標準的なバス情報フォーマット」仕様書[第3版]改訂のポイント
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001415652.pdf

ちなみに上記ページでは「標準的なバス情報フォーマット」の第3版となっているが、国土交通省は「動的バス情報フォーマット」(GTFSリアルタイム)と静的バス情報フォーマット(GTFS-JP)を合わせて、「標準的なバス情報フォーマット」と呼んでいる。

■MaaSの促進に向け、ルール整備が着々と

MaaS×データに関しては、「MaaS関連データの連携に関するガイドラインVer.2.0」についても知っておきたい。

このガイドラインは、MaaS関連の事業者がデータ連携を円滑に行えることなどを目的としたもので、データ連携のルールやデータの取扱い方などが明記されている。

▼MaaS関連データの連携に関するガイドライン Ver.2.0
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/content/001399363.pdf

MaaSの促進に向け、国によるルール整備が着々と進められている。MaaSでビジネスを展開しようという事業者は、今回の「静的バス情報フォーマット」の改訂箇所とともに、「MaaS関連データの連携に関するガイドラインVer.2.0」の内容もよく理解しておきたいところだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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