市場調査サービスを展開する株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区/代表取締役社長:田中一志)は2020年9月8日までに、2021年以降拡大が期待される自動運転車の市場(生産台数ベース)を調査し、その結果を「2020自動運転・AIカー市場の将来展望」として公表した。
■自動運転レベル2の動向は?
2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で自動車生産台数の減少が予想されるため、自動運転レベル2以上の自動運転車両の伸びもペースダウンする。
しかし、2021年以降はレベル2車両を軸に大幅な伸びが予想され、レベル2の生産台数ベースの世界市場は、2020年に724万台であったのが、2030年には6037万台、2045年には7133万台まで急増すると予測している。
レベル3以上の自動運転車両の実現には技術に加え、関連法やインフラ整備に時間を要することから、当面はレベル2の車両が市場をリードするようだ。
■自動運転レベル3以上の動向は?
一方、2025年には高速道路限定のレベル3車両が各自動車メーカーから販売され、タクシーなどではレベル4車両も登場するとみられる。
レベル3の世界市場は、2030年に571万台、2045年に4280万台に達すると予想している。レベル4・5の世界市場は、2030年に343万台、2045年に2139万台に達する見込みだという。
アウディやダイムラーなどの欧州自動車メーカーがレベル3以上車両の普及に積極的に取り組んでいることから、当面は欧州が市場をけん引するとみられる。
■【まとめ】レベル2がしばらく主力だが、法整備の進展でレベル3も
まだしばらくは自動運転レベル2の搭載車両が市場の主力となるが、法整備の進展などとともに、レベル3以上の車両の市場規模も拡大していくとみられる。まずはレベル3の普及がどれだけ早く進むかに注目だ。日本でも年内にホンダがレベル3搭載車両を発売する見込みだ。
【参考】自動運転レベルの定義については「自動運転レベル0〜5まで、6段階の技術到達度をまとめて解説」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)