自動車企業 vs IT企業、自動運転領域エンジニア争奪戦の行方

「ソフトウェア」化するクルマ





自動運転ラボが毎月発表している「自動運転関連求人数調査」で、2019年の1年間で求人案件数が71.6%増となったことが明らかになっている。案件数としては2019年12月末時点では1万8295件。自動車メーカーのほかティア1、ティア2、さらにIT企業やサービス系企業も採用に乗り出している結果だ。







求人案件で登場する職種は多様化しつつあるが、いまのところはエンジニア職がメインだ。ただ求人案件数が増えている一方で、採用ニーズがあるAI(人工知能)エンジニアやシステムエンジニアなどは決して増えてはいない。その結果、日本国内では関連エンジニアの奪い合いの様相が本格化している。

そんな中で注目したいのが、エンジニア獲得合戦の構図が大雑把に言えば「自動車企業」対「IT企業」となっていることだ。

【参考】関連記事としては「自動運転関連求人が超急増!2019年は71.6%増の18,295件に」も参照。

■「ハードウェア」から「ソフトウェア」に

少し大胆に言えば、自動運転化はクルマを「ハードウェア」から「ソフトウェア」に変える。そのため、クルマの自動化においては既存の自動車メーカーや自動車部品会社もシステム系エンジニアを必要とする。

ただこうした状況の中でクルマとは無縁だったIT系企業もこの領域に参入してきており、実質的にエンジニアの奪い合いが自動車企業とIT企業の間で起きているのだ。

自動車企業はソフトウェア系エンジニアの採用には疎い側面があり、うかうかしていたらIT企業に優秀なエンジニアを多数採用されてしまうという恐怖感がある。

■自動車会社にも分があるものの…

ただもちろん、エンジニア採用でIT企業が勝利を収めたからといって、IT企業側が絶対に優勢というわけではない。自動車会社には「クルマ」の知識がある。自動車を動かすというだけではなく、乗る人の心理やハードウェアとしてのタフネス(耐久性)に関しては、自動車会社に分がある。

ただ自動運転技術に関しては開発スピードの速さがいまの時代求められているだけに、エンジニアの層を厚くすることは絶対に必要なことだ。エンジニア採用で自動車企業はIT企業に負けていられないのだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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