SF映画の中には自動運転車などの「未来の自動車」が登場する作品も少なくない。こうした未来の自動車はあくまで映画の中だけのものと考えられていたが、AI(人工知能)技術の進化などによって、すでに現実のものとなりつつある。
この記事では自動運転車などの未来の自動車が登場する映画を6作品紹介する。
■ひるね姫~知らないワタシの物語~
2020年の日本を舞台にした2017年公開のアニメ映画『ひるね姫~知らないワタシの物語~』の中心に据えられているのが、自動運転技術だ。
現実と夢を行き来しながら、両親が完成させた自動運転技術を敵から守り抜こうとする主人公の姿を描いた近未来SFアニメで、監督の神山健治氏は企画の初期段階からものづくりをテーマにしようと考えていたようだ。
企画段階では自動運転技術がここまで進化するとは予想しておらず、映画の内容が「現実に追いつかれてしまった感がある」とコメントしている。
■マイノリティ・リポート
名匠スティーブン・スピルバーグがメガフォンをとった映画『マイノリティ・リポート』は、2002年に公開されているが、未来の技術を予知していたかのような映像にあふれている。
登場するガジェットはどれも近未来的だ。警察用ジェットパック、音声認識する家具、触れることができるホログラム…。胸が踊るモノばかりだが、極めつけが磁気で浮く自動運転車だろう。
登場する技術はスピルバーグ監督が全米の専門家や学者を集め検討したという。
■スパイダーマン:ホームカミング
『スパイダーマン:ホームカミング』は2017年に公開され、クモのような特殊能力を得た主人公の活躍を描いた作品となっている。
ドイツの高級車メーカーであるアウディが手がけた「A8」が登場し、交通渋滞のなかを「A8」が自動運転で走行する場面が描かれている。
A8は現実の世界においても、自動運転レベル3(条件付き運転自動化)で走行可能なスペックを初めて搭載した車両として知られている。
■アイ,ロボット
アレックス・プロヤス監督による2004年公開の映画『アイ,ロボット』は、2035年のアメリカを舞台に描いたSF映画だ。
本作は「ロボット工学三原則」を示したことで有名なアメリカ人作家アイザック・アシモフ氏のSF小説短編集『われはロボット』を原作としている。
映画内ではロボットが一般家庭に導入されているが、人間を襲わないはずのロボットが反乱を起こし、それに気づいたウィル・スミス演じる刑事とロボットとの闘いが描かれる。主人公が乗るのはアウディの自動運転コンセプトカー「RSQ」だ。
「人が運転することは危険」というセリフがあり、人が運転するよりもAIが運転する方が安全、という概念が採用されている。
■トータル・リコール
フィリップ・K・ディックによる小説『記憶売ります』を実写化したのが、1990年公開のSF映画『トータル・リコール』だ。
『ロボコップ』で知られるポール・バーホーベン監督の作品で、主演はアーノルド・シュワルツェネッガーだ。映画の中ではロボット運転手による自動運転タクシーが登場する。
■アイランド
2005年に公開された本作は、『トランスフォーマー』シリーズで知られるマイケル・ベイ監督によるSFアクションだ。
舞台は2019年。地球は大気汚染により危険な状況になっているが、生き残った人間は安全で管理が行き届いたコロニーに住んでいる。そしてコロニーの住人は、唯一汚染を逃れた自然あふれる場所「アイランド」に移住しようと試みる。
本作では、顔識別監視カメラや手術用ロボット、そして無人で運行されるトレーラーが登場する。
■【まとめ】SFの世界は現実の影響を受けている
SF映画では到底実現が不可能と考えられる技術も登場するが、その1つの自動運転技術はいますでに実用化の段階まで到達している。
この記事で紹介した映画を観て、自動運転が実用化された将来の暮らしがどのようなものになるのか、改めて考えてみてはいかがだろうか。
【参考】関連記事としては「移動の変革は3軸で進む 「自動運転」「MaaS」「陸から空」」も参照。