コロナ禍が「コンタクトレス」の有用性を多くの人に認識させたことで、自動運転技術への関心が以前より高まっている。民間企業の中にはこうした世論の動きを敏感に察知し、既存の関連事業の強化や新規事業の立ち上げに取り組んでいる企業も少なくない。
この記事は自動運転ラボ恒例の「気になる求人」記事の2020年10月版として、自動運転分野やMaaS分野における求人として注目したい案件をピックアップして紹介する。
記事の目次
■ホンダ:運転支援・自動運転支援システムの研究開発
2020年内に自動運転レベル3対応車種を発売すること目指しているホンダは、次世代のクルマ開発を行う技術系の総合職を募集している。
今回の求人の具体的な仕事内容としては、カメラやレーダーなど複数のセンサを用いた技術開発や、ローカルダイナミックマップを活用した自車位置推定技術の開発などの「自動運転のシステム研究開発」、自動運転、安全運転支援領域における車両制御などの「制御システム開発」、「電動車研究・開発」「車室内表示システム」などのようだ。
自動運転開発を加速化したいというホンダの狙いがはっきりと表れている求人となっている。
https://js02.jposting.net/honda-rd/u/hm/job.phtml?job_code=742
■WHILL:自動運転モビリティの操作ガイドキャスト
WHILLは2012年5月に日本で創業した企業で、パーソナルモビリティとMaaSの2つを事業の柱としている。現在の社員数は日本・米国・欧州・台湾の拠点で300人規模だ。
パーソナルモビリティ事業では1人乗りモビリティを日本・北米・欧州で販売し、MaaS事業では「ラストワンマイル」の移動の最適化を行うための1人乗りモビリティによる移動サービス・システムを提供している。
そんなWHILLの今回の求人では、自動運転モビリティの操作ガイドキャストを募集している。業務内容としては、空港施設で利用方法の案内や利用者への対応を行うもののようだ。
https://recruit.jobcan.jp/whill/show/b001/163532?path=indeed
■JMUディフェンスシステムズ:防衛省向け船舶の自動運転を実現させるためのシステム制御設計
防衛装備品メーカーのJMUディフェンスシステムズは、船の自動運転(自動航行)を実現させるためのシステム制御設計を行えるエンジニアを募集している。
「自動運転といえば車」を思われがちだが、船の自動運転が実現すれば海上の国境警備の効率化などにつながると考えられる。
船の自動運転技術の開発では、風の抵抗や波の影響、水上での制動などと向き合うことが求められ、技術職として大いにやりがいのある業務と言えそうだ。
■イーソル:自動運転プラットフォームの開発
自社OS関連開発と製造業向け受託開発で30年近い実績を持つ組み込み系開発ベンダーのイーソル。同社は車載向けソフトウェアの開発にも力を入れており、今後の業務拡大を見据えて人材を募集している。
車載ソフトウェアの標準仕様「AUTOSAR」を利用した組み込みソフトウェアの開発が主な業務内容となるようで、自動運転プラットフォームの開発を担当することが主な業務となる。
■【まとめ】自動運転技術を活用した多様な事業の増加
自動運転やMaaSに関わる求人は、技術開発だけではなくサービス開発、そしてサービスを支えるさまざまな職種へと多様化している。今後新たに登場する求人案件にも引き続き注目していきたい。
【参考】関連記事としては「事業立ち上げコンサルなど!自動運転&MaaS、気になる求人4選【2020年9月】 トヨタ、クニエ…」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)