日本すごい!自動運転で「国際規格」認定

レベル3の要件など定めた内容

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経済産業省は2026年4月、日本が提案した自動運転システムに関する2件の国際規格が発行されたと発表した。「自動運転システムと人間のドライバー間の運転交代を前提とした自動車専用道路での自動運転システム(Motorway Chaffer System/MCS)に関する規格で、自動運転レベル3におけるシステム要件や車線変更などについて定めたものだ。

自動運転技術の開発や実用化面では米国・中国に後れを取っている日本だが、国際規格面では世界をリードする一国として存在感を発揮している。

お家芸となりつつある「国際規格」分野での日本の取り組みについて解説していこう。

▼日本発の「システムと人間のドライバー間の運転交代を前提とした自動車専用道路での自動運転システム」に関する国際規格が発行されました
https://www.meti.go.jp/press/2026/04/20260403005/20260403005.html

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■新たな国際規格の概要

レベル3関連の規格が発行

経産省によると、自動運転システムの基本要件や、自動で車線変更などを実施するための要件や試験法を定めた2件の国際規格「ISO 23792-1:2026」「ISO 23792-2:2026」を日本主導で開発した。日本が国際議長を務めるISO(国際標準化機構)/TC 204(ITS 高度道路交通システム)/WG 14(走行制御)に、日本から提案し、いずれも2026年3月に国際規格として発行された。

レベル3を想定した「自動運転システムと人間のドライバー間の運転交代を前提とした自動車専用道路での自動運転システム(Motorway Chaffer System/MCS))」に関するものだ。

「ISO 23792-1」は、自動運転システムが対応しなければならない複数の異なる運転シナリオに対し、シナリオへの対応手法に依らない共通的なシステム特性の表現方法や、システム状態の定義及び遷移条件といったシステムの要件と、基本機能となる単一車線内自動運転の要件とこれを検証するための試験法についても定めている。

MCSが動作可能な地理的運行設計領域の一例=出典:経済産業省
MCSの試験シナリオ=出典:経済産業省

「ISO 23792-2」は、人間のドライバーまたは自動運転システムによる車線変更の提案に対し、これを自動で行うための要件とその検証に係る試験法を定めている。

車線変更を行う際、変更先の車線の前後に必要な空間を検知するための方法や、車線変更を自動で行う際の車両制御についての条件、車両制御が継続できない場合の対応方法などが規定されている。

自動車線変更の機能及び動作イメージ=出典:経済産業省

これらの規格の発行により、自動運転システムの仕様や機能などが共通化されることで、一定の安全性能を有した自動車の普及を後押しし、交通事故の減少や交通流の円滑化につながることが期待されるとしている。

【参考】関連記事「自動運転、レベル3とレベル4の違いは?」も参照。

自動運転、レベル3とレベル4の違いは?(2024年最新版)

■国際規格と日本の関係

数々の規格を主導

自動運転関連で、日本が主導した提案が国際規格に採用されたのはこれが初めてではない。自動運転の国際基準策定で中心的な役割を担う国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)において、日本は共同議長または副議長などとして自動運転に関する国際基準に係る議論を主導している。

例えば、日本は2019年、トラック隊列走行システムの国際標準を提案し、2022年に「ISO 4272」が発行された。

複数のトラックが一定の車間距離を維持して同一車線を走行する際の隊列の形成や加入、離脱時の機能などについて定めたもので、隊列走行そのものは自動運転ではないが、後の後続車無人隊列走行などにつながるものだ。

2022年には、日本が提案し議論をリードした国際基準が多数合意されたことが発表された。国土交通省及び交通安全環境研究所が連携して国際会議における議論を主導し、合意に至ったものとして①自動車線維持システム(ALKS)、トラック、バスなどの衝突被害軽減ブレーキシステム(AEBS)の自動運転や安全運転支援の技術の高度化に対応する国際基準等の改正②トラック、バスなどの後退時に歩行者らへ注意を促す警報音の要件などを規定する後退時警報装置にかかる新たな国際基準の策定③自動車の騒音対策を強化する追加騒音規定の適用拡大を含む国際基準の改正――が挙げられている。

また、自動運転システムの「シナリオに基づく安全性評価フレームワーク」に関する国際標準「ISO 34502」も日本主導のもと2022年に発行されている。

2023年には、日本発の「自動車運転の衝突を回避する制御システム」に関する国際標準が発行された。自動車技術会が提案していたもので、国際標準「ISO 23375」として発行されている。

2025年には、「低速自動走行システムの遠隔支援」に関する日本発の国際規格(ISO 7856)が発行された。車載カメラの検知範囲などの車両側の要件や、車両とコントロールセンター間の通信内容と通信品質に関する要件、これらの要求事項が満足できていることを確認するための試験法について定めた内容だ。

このほかにも、「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」や「大型車のEDR(イベント・データ・レコーダー)の基準」など、自動車関連では相当な数の日本案が採用されているようだ。

日本発の衝突回避システム、国際標準に 自動運転高度化の下地に

日本は自動運転界の「規格番長」?

自動運転技術の開発や実用化面では、米国や中国に及ばない日本だが、国際規格面では世界をリードする一国と言っても良さそうだ。

ある意味日本らしい。几帳面かつ慎重で、新しいものは安易に容認せず、がちっと規則を定めてから運用する。そんな国民性を反映するかのように、国際規格面で力を発揮しているのだ。

お家芸とも言える規格作りで、日本は自動運転界の「規格番長」を狙えるかもしれない。

■【まとめ】国際規格は開発の方向性を左右する

規格(ルール)にこだわり過ぎるがゆえに民間も慎重にならざるを得ず、実証・実用化に時間がかかる……といった側面もありそうだが、国際規格を主導する利点は非常に大きい。開発の方向性と国際規格を整合させやすいためだ。

仮に勇み足で突き進んだ結果、国際規格と異なるためグローバルに活用できず、仕様を見直すことになったら目も当てられない。どの世界でも最終的にルールは定められる……と考えれば、規格番長という地位もまんざらではないはずだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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