トヨタのe-Palette、買ってみたら・・・

トヨタディーラーが早速導入

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出典:トヨタプレスリリース

「〇〇買ってみた!」的な動画がバズったりする昨今。ついに「e-Palette買っちゃいました!」という動画が公開され、話題となっているようだ。

と言っても、購入者はトヨタのディーラー「ユナイテッドトヨタ熊本」だ。半ば身内のため「な~んだ」と思われそうだが、地域の課題解決のため独自に導入したもので、全国の販売店で最初の1台目という。

2025年9月に販売開始されたe-Paletteだが、今後どのような展開を見せるのか。動画の内容とともに、e-Paletteの最新動向を紹介していく。

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■ユナイテッドトヨタ熊本の動画概要

全国のトヨタ販売店第1号のe-Palette

動画では、ユナイテッドトヨタ熊本のハヤシダさんとアキヅキさんが進行役となり、e-Palette導入の経緯や活用方法を紹介するほか、エクステリアやインテリアの細部などにも触れている。

一般目線でe-Paletteを紹介するものは珍しく、内容も興味深いため、飽きずに見ることができるので是非一度ご覧いただきたい。

同社はe-Paletteについて、熊本県内の全自治体とつながり、地域の課題を解決していきたいとの思いから導入したという。

動画では、e-Paletteの名前の由来として「絵の具のパレットを使って新たなモビリティを描きたい」という思いが込められている点や、自由な発想のもと、多様な使い方で新しいサービスを創出する今までにないモビリティとして期待されている点などを紹介。

ハヤシダさんが「e-Paletteってバスですか?どんな使い方ですか?」と質問すると、アキヅキさんが「例えば、朝晩の通勤シャトルバスや移動型店舗、移動しながらスポーツ観戦を楽しんだり、観光の没入体験を楽しめるエンタメ車両としても活用が期待されている。いろいろアレンジして幅広く何でもできる」と回答した。

エクステリアについては、ハヤシダさんはe-Paletteの正面を見て「顔みたいでかわいい。ロボットみたい」と評した。言われてみるとだんだんかわいく見えてくるから不思議だ。正面にデジタルサイネージが搭載されていることなども紹介している。

インテリアでは、天井が高い点や手すりが多くついている点、前後部のウィンドウが上まで広く開かれている点、運転席が右側ではなく真ん中に位置している点、バイワイヤシステムを採用したステアリングなどにも触れている。

自動運転に関しては、同車には自動運転がついていないものの、自動化レベル2に対応可能なことなどを紹介している。

動画には、以下のようなコメントが寄せられている。

意外と、全国各地のディーラーがe-Paletteを導入し、各地域で思い思いに活用すると面白いかもしれない。トヨタとしては恰好のPR手段となり、新たなモビリティサービスの創出にもつながるのではないだろうか。

■e-Paletteの概要

実質1,400万円で購入可能、当面はレベル2車両

e-Paletteは、自動運転モビリティサービス専用車両としてCES2018でお披露目されたモビリティだ。当初は運転席を備えない自動運転専用車両として設計されていたが、多用なサービスを模索する上で従来の運転手法もあったほうが良いとの結論に達し、運転席を備えたモデルも開発された。

自動運転実証やサービス実証などを少しずつ重ね、2025年9月に満を持して販売を開始した。販売価格は2,900万円だが、環境省の補助(補助金額1,583万5,000円)をフル活用できれば実質価格約1,400万円となる。

全長4,950×全幅2,080×全高2,650mmで、運転席や立席含め17人乗りとなっている。運転には中型免許が必要となるようだ。最高車速は時速80キロで、航続距離は約250キロとなっている。

現状のe-Paletteは、自動運転レベル2相当のシステムに対応でき、2027年度には、レベル4に準拠した自動運転システム搭載車の導入を目指すとしている。

トヨタの車両制御インターフェースに対応して開発された他社製自動運転システムを搭載することで、自動運転に対応することが可能になるという。

トヨタ独自のレベル4システムは採用されないようだ。おそらく、WaymoやMay Mobility、ティアフォーなど関係のある開発事業者の自動運転システムをメインに据え、トヨタのガーディアン技術などは補完的に搭載される形になるのではないだろうか。他社の動向にも注目したいところだ。

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■e-Paletteに関する最新動向

臨海副都心エリアで「PALETTE RIDE」や「PALETTE MARCHÉ」サービススタート

東京臨海副都心エリアでは、2025年10月からe-Paletteを活用した次世代モビリティサービス「PALETTE RIDE」の運行や「PALETTE MARCHÉ」が行われている。

東京都の公募事業のもと、トヨタグループのマーケティングサービスやモビリティサービス事業などを展開するトヨタ・コニック・プロと運転管理業務を手掛ける大新東が実施しているサービスだ。

PALETTE RIDEは、シンボルプロムナード公園において、ゆりかもめ台場駅付近からセントラル広場を通り、東京臨海高速鉄道りんかい線 東京テレポート駅、青海に新たに登場したTOYOTA ARENA TOKYOや夢の大橋東側までをつなぐ移動サービスだ。現在は無料で利用できるが、2026年以降有料化する方針という。

PALETTE MARCHÉは、e-Paletteの広々とした空間性を生かし、さまざまな形態に換装したe-Paletteで小売りを行う取り組みだ。東京テレポート駅周辺の夢の広場などで、ドリンクやフード、トヨタ自動車やアルバルク東京などのグッズ販売を行う計画としている。

愛知県はビジネスコンテスト受賞案の実証に着手

トヨタのお膝元愛知でもe-Paletteの活用が本格化し始めているようだ。愛知県は2025年3月にe-Paletteを活用したビジネスコンテストを実施し、優秀賞を受賞した案の実証を同年12月から順次実施している。

採用されたのは、博報堂プロダクツの「推しの声で観光地や地域の魅力を引き出す没入型移動体験」とCrystalの「複数拠点間での需要に基づく最適走行ルートの選定」、パワーウェーブの「ラストワンマイルまで楽しい移動を支援!次世代ワイヤレス給電」の3案だ。

博報堂プロダクツの実証「ぼつにゅ〜!なごやツアー!〜e-Paletteでおでかけしよまい!〜」は12月に実施済みで、立体音声機材により、地域密着型アイドルと一緒にe-Paletteに乗って観光地を巡っているかのようなリアル体感を演出する没入型エンタメコンテンツ体験を提供したという。

Crystalの実証は2026年1月、パワーウェーブの実証は2月ごろを予定している。また、2025年11月から2026年3月までの期間、名古屋駅とSTATION Aiを結ぶルートでe-Paletteによる定期運行も行われている。

豊田市は公用車として導入

愛知県豊田市は2025年9月、e-Paletteを全国の自治体に先駆けて公用車として導入することを発表した。

車両展示をはじめ、豊田市博物館の特別展の会期中における不定期運行を実施済みで、その他さまざまなイベントなどで、車室空間を活用した物販や多様な使い方の紹介を行うほか、車両の外部給電機能を生かし、避難訓練や屋外イベント時の電力供給に活用する予定としている。

■【まとめ】まずは認知度向上とモビリティサービス創出を

まだトヨタと関係性のある企業や団体による導入に留まっているが、おそらく水面下で検討を本格化している企業・団体もいるものと思われる。

e-Paletteの認知度を高め、自動運転抜きでモビリティサービスの可能性を探っていくことがフェーズ1となる。ユナイテッドトヨタ熊本の取り組みは、認知度向上に資する好例となりそうだ。

そして、さまざまなモビリティサービスのアイデアが創出された段階で満を持してレベル4が実装されれば、サービスの可能性はさらに広がっていく。e-Paletteが今後どのような道をたどるのか、要注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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