日本でも自動運転の取り組みが加速しているのに伴い、求人の職種も多様化してきている。従来のような技術開発のエンジニア求人だけではなく、実用化のフェーズに入りつつあるからかサービス企画関連の職種の募集も増えつつある。
自動運転ラボ恒例の「気になる求人」記事の2025年11月版では、各社が公開している案件から、特に注目したい自動運転&MaaS案件をピックアップして紹介していく。
記事の目次
■KDDI:自動運転サービスの事業企画
通信大手のKDDIは、自動運転技術を活用したモビリティサービス事業の企画立案・実装を推進する人材を募集している。同社がパートナーや顧客とともに社会課題を解決する、革新的モビリティサービスの中核を担うポジションになるという。
具体的な仕事内容は、自動運転技術を活用した新規モビリティサービスの構想・事業設計のほか、国内外の市場動向、制度・社会構造の変化を踏まえた戦略シナリオの立案、社会課題や地域ニーズを踏まえた事業モデルの仮説構築と検証、他業界・他企業との連携を見据えた事業共創・アライアンス戦略の策定、収益モデル・KPI設計、リスク評価を含む事業計画の策定・経営提案となっている。
応募資格は専門卒以上で、事業開発または新規サービスの企画・立上げ経験があること。勤務地は東京都港区、想定年収は514~949万円となっている。
https://employment.en-japan.com/desc_1391533/?arearoute=1&aroute=3
■ソフトバンク:サービス企画開発(自動運転)
自動運転関連の事業も積極的に行っているソフトバンクでは、MaaSおよび自動運転MaaSのサービス・ソリューションの開発、導入・構築、社会実装を担当する人材を募集中だ。ソフトバンクとトヨタの共同出資会社として設立されたMONET Technologies出向となる。
このポジションでは、法人顧客(主に自治体・企業)へのMaaSをはじめとするモビリティサービスの企画および開発業務や、顧客へのサービス導入・構築、技術サポート、トレーニングなどの顧客支援業務、顧客への導入効果分析報告・改善提案など顧客満足度を高め利用継続につなげる業務、MaaSデータ分析および分析結果に基づく顧客への改善提案や交通計画策定提案業務などを行う。
学歴不問で業種未経験歓迎だが、普通自動車第一種運転免許が必須だ。さらにBtoB領域での新規事業開発への従事経験または、企業において社会課題の解決に資するサービス企画や開発の経験のいずれかが必要になっている。勤務地は東京都千代田区、リモートワークも可能だが将来的に転勤の可能性がある。想定年収は610~1,200万円。
https://employment.en-japan.com/desc_1388865/?arearoute=1&aroute=3
■デンソー:自動運転、先進運転支援システムのアルゴリズム/ソフトウェア開発
トヨタグループの自動車部品大手デンソーは、先進運転支援システムの制御アルゴリズム開発やECUへの組み込み開発に従事するポジションを募集している。デンソーは次世代統合制御ソフトウェア開発に注力しており、車両全体の動きを最適に制御するための高度なソフトウェア開発に携わることが可能となっている。
具体的な業務内容は、機能要件定義や顧客との折衝のほか、認識・制御アルゴリズム設計、ソフト実装・テスト、ECU統合、システム評価となる。対象となるアプリケーションは、ACC(先行車追従機能)やLKAS(車線維持機能)、TSR(道路標識認識機能)、車載地図アプリ(地図配信、自車位置推定機能など)だ。
応募の際に必須となるのは、自動運転や先進運転支援システムの開発、制御アルゴリズム開発、センサー・センシングの知見、組み込みプログラム開発、MATLAB/Simulink、またはC言語による開発などの経験だ。勤務地は東京都中央区で、将来的に転勤や駐在の可能性がある。想定年収は430~1,250万円。
https://automotive.and-pro.jp/job_08/order_417155.php
■日産自動車:自動運転・運転支援システム・実験技術開発エンジニア
日産では自動運転技術に関わる車やセンサーなどの新機能・性能の品質を保証するため、革新的な評価・実験技術を開発し、量産車両開発に適用して自動運転技術の評価を行っている。
今回募集されている職種では、自動運転に関する新しいシステムの評価・実験技術の調査や、開発計画の立案と実行、量産車両開発における自動運転技術の評価と対策提案を行っていくようだ。
応募資格は、理工系大学以上卒で技術系実務経験があること。普通自動車免許やTOEIC450点以上の英語力も必要だ。自動車業界経験があれば歓迎される。勤務地は神奈川県横浜市、想定年収は417〜766万円だ。
https://geeklyreview.com/company/company-5388/jobs-377131
■【まとめ】自動運転分野に狙いを定めてみては?
今回紹介した求人は、いずれも大手企業のものとなっている。必要な経験や知見があれば、自動運転関連の実務経験は不要だ。もし安定した大手企業での就職を目指すなら、今後の展開拡大が期待される自動運転分野に狙いを定めてみてはどうだろうか。
【参考】関連記事としては「自動運転求人、ついに「爆増フェーズ」か!実用化機運で各社が採用強化」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)