アメリカでさえ「自動運転車を信頼」たった13%

大手メーカーも撤退検討か?

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自動運転タクシー(ロボタクシー)が実用化し、各地で走行している風景が珍しいものではなくなりつつあるアメリカ。自動運転車の存在は一般市民にも浸透しているように見える。

しかしアメリカ人のほとんどは自動運転車を信頼・信用していないという意外な調査結果が発表された。自動運転車を信頼しているのはわずか13%にとどまり、87%の人は自動運転車について「よく分からない」「ハンドルから手を離すのが怖い」と感じているという。

このような状況を踏まえたのか、欧州の自動車メーカーであるステランティス(旧FCA)は過去に発表した「自動運転レベル3を搭載した車両を多数展開する」といった計画を断念しつつあるようだ。

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■米国で自動運転車についての意識調査

アメリカ自動車協会(American Automobile Association)=AAA=が今年行った世論調査によると、アメリカ人ドライバーの61%が「自動運転車に乗るのは怖い」と回答している。「よく分からない」は26%、「自動運転車を信頼している」は13%であった。

出典:AAA

自動運転開発が進むにつれて人々の理解も深まるように思えるが、実際はそうではない。むしろ「怖い」と感じる人は5年前より増加している。2021年から2025年の調査結果は以下のようになっている。

<自動運転についてのドライバーの考え方>
2021年:「怖い」54%、「分からない」32%、「信頼できる」14%
2022年:「怖い」55%、「分からない」30%、「信頼できる」15%
2023年:「怖い」68%、「分からない」23%、「信頼できる」9%
2024年:「怖い」66%、「分からない」25%、「信頼できる」9%
2025年:「怖い」61%、「分からない」26%、「信頼できる」13%

この結果について、AAAで自動車エンジニアリングディレクターを務めるGreg Brannon氏は「ほとんどのドライバーは自動車メーカーに高度な安全技術に注力してほしいと考えている」とした上で、「完全自動運転車に対する意見は大きく分かれるものの、ドライバーが自らの安全を高める機能を重視しているのは明らかだ」との見解を述べている。

Google系Waymoが展開している自動運転タクシー=出典:Waymo公式ブログ

■ステランティスが自動運転事業から撤退?

ステランティスは、2024年から自動運転レベル3(条件付運転自動化)機能を搭載した車両を多数展開することが2022年に報道された。同社はFCA(フィアット・クライスラー・オートモビルス)とPSAグループの傘下であった計14のブランドを保有しており、その中には伊フィアットや米クライスラー、仏プジョーなど各国の有名ブランドが名を連ねる。

ステランティスがレベル3の自動運転車を大規模展開するというニュースは、当時大きな話題となった。その後、2025年2月に自動運転レベル3でハンズフリーとアイズオフを可能にした自動運転システム「STLA AutoDrive 1.0」を発表している。

しかし同社は自動運転実用化の計画を凍結するようだ。ただし自動運転事業から撤退するわけではないという。

ステランティスの広報担当者は米メディアに、「STLA AutoDriveは2025年2月に発表されたレベル3の技術だが、現在のところ市場の需要は限られている。そのため発売には至っていないが技術自体は利用可能であり、すぐに展開できる準備は整っている」とコメントしている。レベル3の技術を発表した約半年後に、このような決断に至ったということになる。自動運転技術の進歩に、社会受容性がまだまだ追いついていないのだろうか。

【参考】関連記事としては「「4社目」の自動運転レベル3、またトヨタじゃなかった」も参照。

「4社目」の自動運転レベル3、またトヨタじゃなかった

■日本は好意的な意見も

日本では、イードが運営するカーライゼーションが、自動運転に関するアンケート調査を実施し、その結果を2024年4月に発表している。

「自動運転技術の普及に賛成ですか、反対ですか?」という質問では、「賛成」は80.7%、「反対」は19.3%であった。また「自動運転車の安全性に対する信頼はどの程度ありますか?」では、「まったく信頼できない」2%、「あまり信頼できない」20%、「なんともいえない」32%、「まあまあ信頼できる」42.7%、「とても信頼できる」3.3%となっている。

日本の場合、そもそも自動運転車がどのようなものなのかよく知らない人も多く、ポジティブなイメージを持つ人も多そうだ。実用化済みのアメリカの方が、自動運転車を脅威に感じている人が多いのかもしれない。

米EV(電気自動車)大手テスラやGoogle系の自動運転開発企業Waymoなども、日本で自動運転実装に向けてのテスト走行を開始している。自動運転ブームは「終わりの始まり」と呼んでいる米メディアもあるようだが、これから日本、そして世界は自動運転車をどのように受け入れていくのだろうか。

【参考】関連記事としては「自動運転車の市場調査・社会受容性のレポート一覧」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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