米国ではすでに実用化されている自動運転車。米国で「自動運転車」と検索するとEV(電気自動車)大手テスラに関するニュースがほぼ独占状態になっている。もはや「autonomous cars(自動運転車)」=「tesla」といった図式が出来上がりつつある。
ただ、現在米国で自動運転タクシー(ロボタクシー)を商用運行しているのは、Google系の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)だ。そのWaymoを差し置いてテスラが話題に上るということは、テスラの存在感とCEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク氏の影響力の大きさを感じさせる。
【参考】関連記事としては「テスラ、ロボタクシーでも「広告費ゼロ」継続か」も参照。
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■テスラに関するニュースにはどんなものがある?
英語版のGoogle Newsで「autonomous cars」と検索すると、ほぼテスラのニュースが占める状況となっている。たとえば2025年8月21日現在、トップに上がっているのは下記のようなニュースだ。
- Elon Musk’s Self-Driving Tesla Lies Are Finally Catching Up To Him(イーロン・マスクの「テスラは自動運転できる」という嘘が、ついに彼自身に跳ね返ってきている)
- Tesla Owners Can Sue Over ‘Self-Driving’ Marketing(テスラのオーナーたちは「自動運転」の宣伝をめぐって訴訟を起こすことができる)
- A deadly crash and Musk’s exaggerations: Inside two lawsuits over Tesla’s self-driving tech(致命的な事故とマスクの誇張──テスラの自動運転技術をめぐる2件の訴訟の内幕)
- Tesla drivers can pursue class action over self-driving claims, judge rules(判事の判断により、テスラのドライバーは自動運転に関する主張をめぐって集団訴訟を進めることができる)
いずれもテスラに関するネガティブな話題だ。サンフランシスコの連邦判事が、テスラのオーナーたちによる集団訴訟を認めたという内容だ。オーナーたちがテスラを相手取り、イーロン・マスク氏とテスラが2016年から誇張してきた自動運転機能に関する主張について、訴えることが可能になったという。
テスラは2016年10月から2024年8月まで、公式サイトに「テスラ車には完全自動運転のためのハードウェアが搭載されている」と掲載しており、これを目にした多くの人々が自動運転可能と信じテスラ車を購入した。しかし実際は自動運転と認められるまでのレベルの機能は搭載されておらず、虚偽の宣伝だと批判されている。
【参考】関連記事としては「自動運転、英語で何と書く?技術用語はどう表記?」も参照。
■日本でテスト走行を開始
何かと話題を振りまいているテスラだが、明るいニュースも多い。2025年6月には悲願のロボタクシーサービスをテキサス州オースティンで開始し、大きな話題になった。それに伴い株価も上昇した。
なお最近のGoogle Newsで上位に来るテスラ関連の明るいニュースは下記になる。
- Tesla tests AI-powered autonomous cars on public roads in Japan(テスラが日本の公道でAI搭載の自動運転車をテスト)
テスラは2025年8月20日、日本の一般道で「Full Self-Driving(Supervised:監視付き)」搭載車のテスト走行をスタートした。この機能は自動運転レベル2に相当し、ドライバーは常にハンドルに手を添え、すぐに手動運転に切り替えられるよう監視する必要がある。まずは同社の社員がテスト運転し、安全性の検証などを行っていくという。
■Waymoは無人運転を実現しているが…
常に大きな話題をさらっているテスラだが、忘れてはいけないのは自動運転開発でテスラのはるか先を行くのはWaymoだということだ。Waymoは2018年に世界で初めてロボタクシーを商用化し、現在は全米各地でドライバーレスのロボタクシーサービスを展開している。
現在テスラがオースティンなどで行っているロボタクシーサービスは、セーフティドライバーありでの自動運転走行となっており、本当の意味での自動運転とは言いがたい。それにもかかわらず、自動運転に関するニュースでテスラの話題が圧倒的に多いのは、良くも悪くも同社が常に注目を集めている証拠だろう。
周囲の期待通りにテスラが完全自動運転を実現する日は来るのか。引き続き注目したい。
【参考】関連記事としては「自動運転タクシー、アメリカの最新動向!Googleやテスラの展開状況は?」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)