トヨタWoven Cityの運営会社、また債務超過!第5期決算

次世代技術開発を担う存在だが・・・

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出典:官報(※クリックorタップすると拡大できます)

トヨタグループで最先端のモビリティ技術などの研究開発やWoven Cityを事業領域とするウーブン・バイ・トヨタ株式会社(本社:東京都中央区/代表取締役:隈部肇)。同社の第5期(2024年4月〜2025年3月)の決算公告が、このほど官報に掲載された。

売上高は前期比8.5%増の1,563億1,400万円、当期純利益は前期の赤字から転じて152億1,500万円の黒字となった。ただし前期に引き続き債務超過になっており、その額は約99億円であった。

同社の前身は「TRI-AD(トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント)」だ。2021年1月に新体制「ウーブン・プラネット・ホールディングス」に移行し、さらに2023年4月には社名を「ウーブン・バイ・トヨタ」に変更している。

なお、これまでの売上高と純損益の推移は、以下の通りとなっている。

<売上高の推移>
・第1期:34億2,001万7,000円(ウーブン・プラネット・ホールディングス)
・第2期:227億9,100万円(ウーブン・プラネット・ホールディングス)
・第3期:240億5,700万円(ウーブン・バイ・トヨタ)
・第4期:1,440億9,600万円(ウーブン・バイ・トヨタ)
・第5期:1,563億1,400万円(ウーブン・バイ・トヨタ)

<純損益の推移>
・第1期:▲6億7,878万5,000円(ウーブン・プラネット・ホールディングス)
・第2期:29億3,300万円(ウーブン・プラネット・ホールディングス)
・第3期:▲1,062億1,300万円(ウーブン・バイ・トヨタ)
・第4期:▲196億6,300万円(ウーブン・バイ・トヨタ)
・第5期:152億1,500万円(ウーブン・バイ・トヨタ)
※▲はマイナス

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■第5期決算概要(2025年3月31日現在)

貸借対照表の要旨(単位:百万円)

▼資産の部
流動資産 35,428
固定資産 121,357
資産合計 156,786
▼負債及び純資産の部
流動負債 119,257
(賞与引当金)(5,735)
固定負債 47,426
(退職給付引当金)(920)
株主資本 △10,530
資本金 55
資本剰余金 5
資本準備金 5
利益剰余金 △10,591
その他利益剰余金 △10,591
評価・換算差額等 631
繰延ヘッジ損益 631
負債・純資産合計 156,786

損益計算書の要旨(単位:百万円)

売上高 156,314
売上原価 116,674
売上総利益 39,640
販売費及び一般管理費 25,495
営業利益 14,144
営業外収益 333
営業外費用 2,986
経常利益 11,490
税引前当期純利益 11,490
法人税、住民税及び事業税 0
法人税等調整額 △3,725
当期純利益 15,215

■債務超過額は98億9,700万円

出典:Woven City公式Facebookページ(https://www.facebook.com/WovenCity.JP/)

ウーブン・バイ・トヨタの第5期決算は、前期に引き続き債務超過の状態にある。債務超過とは、貸借対照表の「資産の部」の合計額から、「負債の部」の合計額を引いた金額がマイナスとなる状態のことを指す。

第5期は、資産の部が流動資産354億2,800万円、固定資産1,213億5,700万円で計1,567億8,600万円。負債の部が流動負債1,192億5,700万円、固定負債474億2,600万円の計1,666億8,300万円となっている。

資産の部の1,567億8,600万円から負債の部の1,666億8,300万円を差し引くと、98億9,700万円の債務超過になっていることが分かる。

■ウーブン・バイ・トヨタが手掛ける実証都市

ウーブン・バイ・トヨタが手掛ける実証都市「Woven City(ウーブン・シティ)」は、2025年1月に第1期工事が終了し、今秋にも実証が始まる見通しだ。現在は実証開始に向け、さまざまなインフラの準備を進めている段階のようだ。

トヨタのオウンドメディア「トヨタイムズ」では、インフラの1つである「信号機」について紹介しており、自動運転シャトルe-Palette(イーパレット)」が通過する動画を公開している。

【参考】関連記事としては「トヨタが「車両連動型の信号機」開発!通信で「青」を強制」も参照。

ウーブン・シティ内でe-Paletteは、走行中常に位置情報と速度の情報を発信しており、これをウーブン・バイ・トヨタがクラウド上に開発した「青信号要求サーバー」が受信する。e-Paletteが送るこれらの情報から、信号機に近づくタイミングを計算し、青に切り替えるよう信号機にリクエストを送っているのだという。

信号機の手前にあるセンサーに反応して切り替える、いわゆる車両感応式信号と違い、あらかじめリクエストを送信しているためe-Paletteは信号機の手前で停車する必要がない。なおフェーズ1エリアでは、全7カ所にこのシステムを導入した信号機が設置されているようだ。

■この秋の実証開始に期待

少しずつ街の様子が明らかになってきたWoven City。どんな人が住み、どのような実証実験が行われていくのかを楽しみに待っている人は多い。赤字と黒字を繰り返しているウーブン・バイ・トヨタだが、開発する技術が実用化ベースに移行すると、事業規模は一気に拡大していきそうだ。

※官報に掲載された決算公告に関する記事は「自動運転・MaaS企業 決算まとめ」から閲覧頂くことが可能です。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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