米EV(電気自動車)大手テスラは、2025年6月からテキサス州オースティンで自動運転タクシー(ロボタクシー)の試験プログラムを有料で開始する予定だ。
同社CEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク氏の強気の発言は、常に注目の的となっている。これまでの数年間はマスク氏の「自動運転は近く実現する」といった誇大発言に振り回されてきたが、今回ばかりは「幻想なのでは?」という声が出てきている。
最近、マスク氏は「来年末までに数百万台のテスラの自動運転車が路上を走る」と約束した。これに対し米メディアは、「おなじみの決まり文句」「ファンタジー」だと揶揄している。fantasyという英単語には「空想」や「実現しそうにない非現実的な夢」というニュアンスを含む。
マスク氏の発言は「オオカミ少年」と見なされるようになってしまったのか。
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■2026年後半の発言
2025年4月23日、米メディアに対しマスク氏は「私は予測します。来年後半には、数百万台のテスラ車が完全自動運転で走行しているでしょう」と発言した。そして、今年末までには車内で眠って目的地に到着できるようになるとも断言したようだ。
しかし、これを信じているメディアやユーザーはかなり少数派なのかもしれない。2020年頃からマスク氏は「今年中に完全自動運転を実現する」といった主旨の発言を繰り返してきたが、いまだ実現していない。
マスク氏本人ですら自身の過剰な楽観主義を認め、「FSDを叫ぶ少年」と自嘲しているという。FSDとはテスラのADAS(先進運転支援システム)「Full Self Driving」の略だ。直訳すると「完全自動運転」となるFSDだが、自動運転システムではなくADASにとどまる。そのため誤認を招くと問題になり、2024年に名称を「FSD Supervised(監視付き)」に変更しているという経緯がある。
【参考】関連記事としては「名言?迷言?自動運転、テスラのイーロン・マスクCEO発言5選」も参照。
■ロボタクシーサービスが始動予定
テスラは、ペダルもハンドルもないロボタクシー専用モデル「Cybercab(サイバーキャブ)」を2024年10月に初公開した。2026年に生産を開始し、販売価格は3万ドル(約430万円)未満に設定するという。
また規制当局の承認が得られた場合、2025年6月からオースティンでテスラ初のロボタクシーの一般向けトライアルを有料サービスとして開始する予定だ。しかしこれはサイバーキャブではなく、同社のEV「Model Y」を使用する。
オースティンでのロボタクシー始動まであと約2カ月。先日はテスラの工場内を自動運転車が無人走行している様子を動画で公開している。マスク氏が強気の発言をするのも、計画通りに進んでいるという自信があるからなのかもしれない。
■オースティン当局からの認可もまだ
2025年4月22日のテスラの決算発表後、マスク氏は有料ロボタクシーサービスを6月に開始することを強調しつつ、以下のような説明を行ったようだ。
- 運用初日に稼働する車両は10〜20台
- 車両はCybercabではなく、Model Yを使用
- 車両は現在トレーニング中
- 当初のサービスは、遠隔操作アシストが付いた限定された地域内での運用となる
つまり、これは完全自動運転とは言えないだろう。現状がこのような状態であれば、マスク氏が同じタイミングで発言した「2026年に数百万台レベルの自動運転車が実現」までの道のりはかなり長いと言わざるを得ない。
しかもオースティン当局からの認可もまだ受けていないような状況のようだ。マスク氏がいくら楽観的で強気な発言を繰り返しても現実味はなく、これは一種の「ファンタジー」だととられるのは仕方のないことかもしれない。
【参考】関連記事としては「テスラの自動運転タクシー、製造費は「Googleの20〜25%」」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)