「自動倉庫」開発の東大発ベンチャー、赤字9,900万を計上 RENATUS決算

第2期(2023年1〜12月)の状況は?



出典:官報(※クリックorタップすると拡大できます)

東京大学発の物流ロボティクスベンチャーであるRENATUS ROBOTICS株式会社(本社:東京都文京区/代表取締役CEO:大澤琢真)=レナトスロボティクス=の第2期(2023年1〜12月)決算公告が、官報に掲載されている。

当期純損失は9,934万円であった。2022年1月に設立されたレナトスロボティクスは、自動倉庫設立ソリューションの開発・導入と自動倉庫運営及び配送代行事業を手掛けている企業だ。資金調達や物流関連企業との業務提携なども順調で、早期の黒字化を期待する声も少なくない。


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■決算概要(2023年12月31日現在)

賃借対照表の要旨(単位:千円)

▼資産の部
流動資産 116,714
固定資産 45,987
繰延資産 63,163
資産合計 225,865
▼負債及び純資産の部
流動負債 342,536
株主資本 △116,670
資本金 1,000
利益剰余金 △117,670
その他利益剰余金 △117,670
(うち当期純損失)(99,343)
負債・純資産合計 225,865

■世界最高効率の自動倉庫システムを開発

出典:RENATUS ROBOTICSプレスリリース

レナトスロボティクスは、東大発AI・ロボティクス企業TRUST SMITHグループのカーブアウト法人だ。最先端のテクノロジーを活用し、超高効率の自動倉庫の製造・販売を手掛けている。日本法人のほか米カリフォルニア州サンフランシスコにも拠点を持つ。

同社は2022年11月から、独自の「ワンストップ梱包」による高効率な自動倉庫システム「RENATUS(レナトス)」の提供をスタートした。縦横自在に移動する高速シャトルと独自のアルゴリズムを組み合わせた、最先端のシステムとなる。

導入設備を大幅に削減した設計によるイニシャルコストの大幅な削減のほか、ワンストップ梱包方式により従業員の人件費が最大で3分の1に削減などにより、高効率・低コスト・低リスクの無人倉庫を実現するシステムとなっている。


2023年5月に、EC物流BPO事業を展開するイー・ロジットとAkatsuki Venturesが運営するDawn Capitalから総額200万ドル(約3億円)の資金調達を実施し、シードラウンドをファーストクローズしたことを発表した。

また同年8月にはイー・ロジットと、イー・ロジットの物流センター埼玉・草加市へのRENATUS1号案件の建設・稼働開始と、2024年以降のRENATUSの多拠点への展開に向けた共同での設備導入・研究開発・販売・保守運用・広報等の体制構築に向けての業務提携契約を締結した。

イー・ロジット埼玉草加フルフィルメントセンター(FC)へ導入するRENATUS自動倉庫システム1号センターは2023年12月に着工、テスト運用を行ったのちに2024年5月に内覧会を行っている。

■イー・ロジットとの協業が拡大

出典:RENATUS ROBOTICSプレスリリース

レナトスロボティクスがイー・ロジットの埼玉草加FCへ導入したRENATUSは、2024年9月から実出荷を開始した。RENATUSの導入により、2つの効果が確認されたという。


▼統合型自動倉庫システム「RENATUS」が本稼働開始|RENATUS ROBOTICS
https://www.renatus-robotics.com/jp/2024/10/10/%e7%b5%b1%e5%90%88%e5%9e%8b%e8%87%aa%e5%8b%95%e5%80%89%e5%ba%ab%e3%82%b7%e3%82%b9%e3%83%86%e3%83%a0%e3%80%8crenatus%e3%80%8d%e3%81%8c%e6%9c%ac%e7%a8%bc%e5%83%8d%e9%96%8b%e5%a7%8b/

1つ目は「ピッキングステーションにおける『ワンストップ梱包』の実現」だ。ピッキングや荷合わせ、検品、梱包の全工程を1人の作業者が移動せずに完結するワンストップ梱包が可能になった。

2つ目は「生産性が従来比約10倍に向上」で、1名で全工程を行い、1時間300行以上の出荷効率を達成したという。また検品済みの入荷商品の入ったトート(箱)を直接入庫するトート入庫により、1名で1時間300トート以上の入庫効率も達成した。

今後レナトスロボティクスとイー・ロジットは、埼玉草加FCへ導入済みのRENATUSの拡張のほか、イー・ロジットによるRENATUSの販売取次および導入支援などを視野に協業を加速していくようだ。

ソリューションの本格稼働がスタートしたレナトスロボティクスの、今後の展開と業績に引き続き注目だ。

※官報に掲載された決算公告に関する記事は「自動運転・MaaS企業 決算まとめ」から閲覧頂くことが可能です。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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