中国企業、日本で「自動運転車の工場」建設 年産1万台へ、年内開業

中国PIX Movingと日本のTISとが合弁設立

B!

自動運転EV(電気自動車)の工場が神奈川県に誕生する見込みとなった。日本企業と中国企業の合弁会社で、MaaS用自動運転EVやロボットの開発・製造を主要事業として展開していくという。年内に開業し、当面は年産1万台を目指す。

合弁会社の会社名は「ピクセルインテリジェンス株式会社(PIX JV)」。TISインテックグループのTISと、中国の自動運転開発企業の日本法人であるピクシームービング(PIX日本)が共同で2024年6月に設立した。エンジニア派遣会社経由ですでに求人も出ており、今後の展開が期待される。

編集部おすすめサービス<PR>
米国株投資ならmoomoo証券(株式投資)
自動運転関連株への投資なら!各銘柄の分析情報が充実
タクシーアプリなら「GO」(配車アプリ)
クーポン超充実!「実質無料」のチャンスも!
頭金0円!定額カルモくん(車のカーリース)
「貯金ゼロ」でも車が持てる!コミコミ1万円から!
自動車保険 スクエアbang!(一括見積もり)
「最も安い」自動車保険を選べる!見直すなら今!
編集部おすすめモビリティサービス<PR>
GO(タクシー配車アプリ)
最大5,000円分のクーポン配布中!

■日本企業×中国企業のタッグ

製品ラインアップとして紹介された画像イメージ=出典:TISプレスリリース

TISとPIX日本の中国本社であるPIX Movingは、MaaSやスマートシティ領域等における新たなITサービスの創出を目指し、2022年7月に資本業務提携契約を締結している。

2023年4月の改正道路交通法の施行により自動運転レベル4の規制が緩和され、特定条件下における公道での完全自動運転が解禁された。さらに2024年6月には政府が一般道での自動運転について、2024度に全国約100カ所で計画・運行を行う方針を示すなど、国を挙げて自動運転の実装に向けての取り組みが加速している。

そこで両社はPIX JVおよび組立工場を設立し、自動運転ロボットの生産・提供を通じ、MaaS・スマートシティ領域でのイノベーションを加速させることとなった。今回のPIX JVへの共同出資は、2022年のTISとPIX Movingとの資本業務提携後の中国・日本での協業実績を踏まえ、さらなる両社間のビジネス拡大を図る提携になるという。

PIX JVの本社は東京都港区で、2024年中に日本での第一工場となる茅ヶ崎工場の開業を予定している。2028年までに日本国内に第二工場を設立し、年間1万台以上の製造を目指す。PIX JVの代表者は、PIX日本の代表取締役社長である喩川氏と同じのようだ。

<茅ヶ崎工場の概要>
所在地 :神奈川県茅ヶ崎市萩園2594-1
敷地面積 :1,177㎡
延床面積 :2,444㎡
生産開始予定:2024年12月
生産商品 :自動運転汎用スケートボード型EVシャーシー、Robo-Bus、Robo-EV、各種サービスロボットなど

■新会社での人材募集について

求人情報サービスサイトでは、「自動運転車両工場の新規事業立ち上げスタッフ」としてエンジニア系派遣会社経由での求人が掲載されている。勤務地が「神奈川県茅ヶ崎市萩園」となっており、PIX JVの茅ヶ崎工場の住所と同様のため、PIX JVでのポジションだと考えられる。

仕事内容は、Maas推進に伴う自動運転バスの車検整備や、ナンバー取得のための認証取得業務の実施で、「まずは日本の公道を走行できるようナンバープレートの取得や認証からスタートします。その後販売に向けプロジェクトを進めていきます」との記載がある。

応募には中国語での実務経験または中国在住経験が必須で、歓迎要件として自動車整備経験や何かしらの自動運転開発経験、自動運転車両のナンバープレート取得経験が挙げられている。学歴は不問だが、長期勤続によるキャリア形成のため40歳未満の年齢条件がある。予定月給は30〜50万円。

▼自動運転車両工場の新規事業立ち上げスタッフ|Indeed
https://jp.indeed.com/viewjob?jk=69ec784c547f6c7c

■無人運転のミニバスなどを製造予定

PIX JVでは、PIX Movingの強みである最先端のAIGC(AI-Generated Content)設計や3Dプリントなどの製造技術を茅ヶ崎工場に導入する。それにより自動運転Robo-Busや自動運転無人販売EV、有人・無人運転ミニEV(Robo-EV)、屋外・屋内デリバリーロボット、屋外自動運転清掃EV、自動運転汎用スケートボード型EVシャーシーなどを量産していくという。

自動運転Robo-Busとは、PIX Movingが提供している無人運転のミニバスで、観光地域や大学キャンパス、空港、スマートコミュニティ、スマートシティなどにおける人の送迎サービスでの活用を想定している。また自動運転汎用スケートボード型EVシャーシーは、EV向けスケートボード型シャーシーのプラットフォームだ。

PIX JVのRTM(Real-Time Manufacture)先端設計・製造技術は、多種のロボット関連製品の企画から開発の大幅な期間短縮を実現するという。日本と中国の企業が手を組み、優れた自動運転車や自動運転ロボットの大規模生産が可能になる。

【参考】関連記事としては「レベル4自動運転ミニバスを開発!中国系PIX Movingとは?」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



B!
関連記事