テスラ、幹部を解雇し「最大年収5,600万円+α」で自動運転人材を募集

日米差が顕著、有能な人材の確保狙う

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出典:Dunk / flickr (CC BY-SA 2.0 DEED)

上級幹部を含むレイオフ(一時解雇)に踏み切った米EV(電気自動車)大手のテスラだが、ここ最近、新たな自動運転関連求人が掲載され始めている。

一部職種の最高年収は36万ドル(約5,600万円)で、さらにこれに現金・株式報奨や手当も加わることもあり、エンジニア業界において大きな注目を集めることになりそうだ。

【参考】関連記事としては「Googleの自動運転部門、インターンにも年収2,000万円提示」も参照。

■新たに20種類以上の関連求人

テスラ専門メディアの米TESLARATIによれば、20種類以上のオートパイロット・自動運転関連求人が最近新たに同社のキャリアページに掲載された。その一部が以下の通りだ。

例えば上記の一番上の「リサーチャー・エンジニア、基礎モデル、自動運転」(Researcher Engineer, Foundation Models, Self-Driving)の求人ページの詳細は、以下のテスラのキャリアページから閲覧することができる。

▼Research Engineer, Foundation Models, Self-Driving|TESLA Careers
https://www.tesla.com/careers/search/job/research-engineer-foundation-models-self-driving-221948

年収水準を含め、この求人内容を紹介していこう。

■募集要項を読み解いてみると・・・

まずこの職種において「期待すること」(What to Expect)としては、以下のように説明されている。

テスラでは、テスラAIの基盤モデルを構築する優秀なソフトウェアエンジニアを募集しています。世界トップクラスのディープラーニング専門家からなる少人数のグループに加わり、最先端のニューラルネットワークを開発し、AIの研究開発の限界を押し広げます。あなたの仕事は、自動運転とテスラボット両方のための実世界のインテリジェントシステムを実現します。

続いて「職務内容」は、以下のように説明されている。

自律走行ロボットとヒューマノイドロボットの基礎モデルを進化させるための応用研究をリードする。膨大なデータの収集、新しいニューラルネットワークアーキテクチャの設計と実装、モデルのトレーニング、モデル性能の評価など、機械学習スタック全体にわたる作業。大規模マルチモーダルモデル、マルチタスク学習、ビデオネットワーク、生成モデル、模倣学習、半教師付き学習、自己教師付き学習における最先端の技術について、才能あるチームと協働する。世界中の何百万台ものテスラのロボットプラットフォームに基礎モデルを展開することで、大きな影響力を持つ。

予定報酬については、「116,000~360,000ドル/年俸 + 現金および株式賞与 + 福利厚生」と説明されている。米ドルの部分を日本円にすると「1,823万〜5,657万円」ということになる。そして福利厚生の内容は、以下のように記載がある。

・Aetna PPOおよびHSAプラン > 2つの医療プランから選択可能、給与控除は0ドル
・家族形成、不妊治療、養子縁組、代理出産の給付金
・歯科(歯列矯正を含む)および視力プラン(どちらも給与天引き0ドルのオプションあり
HSA付きHigh Deductible Aetna医療プランに加入した場合、会社負担(Health Savings Account)HSA拠出金
・ヘルスケアおよび扶養家族のフレキシブル支出口座(FSA)
・LGBTQ+ケアコンシェルジュサービス
・雇用主がマッチングする401(k)、従業員株式購入プラン、その他の金融手当
・会社負担の基本生命保険、AD&D保険、短期および長期障害保険
・従業員支援プログラム
・傷病休暇(給与職はフレックスタイム制)、有給休暇
・育児および子育て支援リソースのバックアップ
・重要疾病保険、病院賠償保険、傷害保険、盗難・法律サービス、ペット保険などの任意保険
・減量および禁煙プログラム
・テスラ・ベイビーズ・プログラム
・通勤手当
・従業員割引および特典プログラム

■日米の年収差は由々しき事態に

日本とアメリカの平均年収の差については、最近よく注目されており、エンジニアにおいてもそれは同様の状況となっている。日本から見るとテスラの自動運転関連求人は太っ腹に見えるが、本国アメリカではこうした年収水準のエンジニア求人は、実際、かなりごろごろある。

いずれにしても、日本企業の自動運転関連求人は、よくて年収1,000万円、一部ベンチャーは最高年収2,000万円を提示している例もあるが、かなり稀だ。これでは優秀な人材がなかなか日本に来てくれない。年収水準差はここ数年の円安も影響しているが、由々しき事態であると言える。

【参考】関連記事としては「自動運転業界、「理数系」の平均年収1,600万円!米調査」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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