ファミレスチェーン「ガスト」の看板を、ホンダ車が「進入禁止」の標識だと誤認識するケースが、SNSや車両の口コミで報告されている。
ホンダ車に関しては最近、ラーメンチェーン「天下一品」のロゴを進入禁止の道路標識と誤認識してしまったことが、話題になったばかりだ。さらに、ガストや天下一品だけでなく、日産車がENEOSのロゴを進入禁止と誤認識するケースも報告されている。
■ガストやENEOSのロゴでも誤認識
X(旧Twitter)では、ファミレスチェーン「ガスト」の看板を、ホンダ車が車両進入禁止だと誤認識したという事例が投稿されている。
価格.comの「N-BOXカスタム 2017年モデル」に関する口コミでも、「天下一品の看板はほぼ確実に、ガストの看板は雨天時に時々進入禁止の標識と誤認識します」(引用:https://bbs.kakaku.com/bbs/K0000993006/SortID=23027465/)という投稿がある。
また、日産のADAS「プロパイロット」は過去に、ガソリンスタンド「ENEOS」の看板を車両進入禁止だと誤認識したという。
天下一品、ガスト、ENEOSのロゴに共通しているのは、赤系の丸に白で文字が表示されているという点だ。天下一品の白文字は漢字の「一」であるため、赤丸に白の横線1本の車両進入禁止標識と間違えやすいのも、確かに納得感がある。
しかし、ガストやENEOSは白文字ではあるが複数の文字で構成されている。人間だと普通、車両進入禁止標識と同じには見えないはずだ。
■無くならない「誤認識問題」
天下一品の企業ロゴをホンダのADAS「Honda SENSING(ホンダセンシング)」の標識認識機能が誤認識してしまうというトピックは、2021年始めごろに話題になっていた。
この話題が、2024年2月に再びSNSなどでつぶやかれるようになった。コンビニ大手のローソンが「天下一品こってりフェア」を開催したため、街じゅうにたくさんあるローソンで天下一品のロゴがついた広告が掲示されるようになったからだ。
ローソンに近づくと、Honda SENSINGが搭載されている車種ではメーターパネルに進入禁止のマークが出てくる場合が多くSNSで投稿された。
なお完全自動運転車の実現を目指す日本のスタートアップ・Turing(チューリング)が開発するマルチモーダル学習ライブラリ「Heron」は、車両進入禁止と天下一品をきちんと区別できるようだ。
【参考】関連記事としては「天下一品のロゴ、ホンダ車が「進入禁止」と再び誤認識」も参照。
■開発各社の大きな課題に
ちなみに、別な記事で詳しく紹介するが、米国では「STOP(一時停止)」の道路標識がプリントされたTシャツを着て、ドライバーレスの自動運転車の走行を停止させるいたずらが話題になっている。
自動車メーカー各社のADASによる誤認識問題。Xでは半分笑い話として捉えられて拡散されているケースもあるが、車両が自動運転化される際の画像認識でこうした自体が起きると洒落にならない。もちろん、そのときは認識精度が今より高くなっているとは思うが、今後、こうした課題の解決は開発各社にとって大きなテーマとなりそうだ。
【参考】関連記事としては「自動運転とは?(2024年版) レベル別の実用化・開発状況・業界動向まとめ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)