赤字続くKINTO、トヨタのサブスクが申込10万件突破!取り扱い30車種超に

「KINTO Unlimited」も展開



出典:KINTOプレスリリース

トヨタグループでクルマのサブスクサービスやMaaS事業を展開する株式会社KINTO(本社:愛知県名古屋市/代表取締役社⻑:小寺信也)は、2024年1月11日で設立5周年を迎えた。クルマのサブスク「KINTO ONE」の累計申し込み数は10万件を突破したという。

2019年1月設立のKINTOは、同年7月からトヨタ6車種のラインアップでサブスクの全国展開をスタートさせ、現在は30以上の車種を取り扱っている。







【自動運転ラボの視点】
KINTOに関しては、第5期決算(2022年4月〜2023年3月)の売上高は198億3,300万円と前期比95.9%増を記録しているが、純損失を39億円1,700万円計上しており、赤字を抜け出せていない状況となっている。一方、過去に比べると損失額が減っており、事業拡大の過程で黒字化をいつ達成できるかが注目ポイントの一つだ。
■トヨタのサブスク「KINTO ONE」とは

KINTO ONEは、自動車保険や自動車税など、クルマにかかる諸経費込みの月々定額のクルマのサブスクリプションサービスだ。

車両本体や登録時の諸費用のほか、自動車税や自動車保険、車検、メンテナンスなどにかかる費用が全て込みで定額になる。人気のセダン「プリウス」やSUVの「ハリアー」「RAV4」、ミニバン「ヴォクシー」「シエンタ」などのほか、レクサス車まで幅広いラインナップを取り揃えている。月額費用は、1万円台から10万円台まで幅広く、車種により異なる。

KINTO ONEの申し込みは、ウェブで行う。公式サイトで車種やオプションを選び、見積もりを行う。クルマの受け取りとメンテナンスを行う販売店を選択し、必要事項を入力し、審査の申し込みを行う。

審査通過後に契約の手続きや必要書類の準備をする。納車までは郵送や電話でやりとりし、指定の販売店で車両を受け取るという流れになっている。店舗に出向くのは納車時のみだ。

■初期費用ゼロで開始できるプランも

KINTO ONEには、ニーズに合わせて選べる2つのプランがある。

初期費用0円で始める「初期費用フリープラン」は、申込金などの最初にかかる費用が無く、毎月定額で車に乗る事ができるプランだ。契約期間は3年・5年・7年から選択でき、利用中に車の変更が必要な場合は、お得な乗り換え特典が用意されている。

もう1つの「解約金フリープラン」は、クルマを使わなくなった場合の解約金が0円で、ニーズに合わせて必要な期間だけ利用するのに最適なプランとなっている。初期費用として、月額5カ月分相当に申込金が必要になる。契約期間は初回3年契約で、再契約により最長7年乗ることが可能となっている。

なお、KINTO ONEの契約期間中のクルマの使い方には、いくつかの制限がある。全ての車両が全面禁煙で、車両の改造や競技走行は禁止だ。走行距離の制限はないが、契約年数ごとの走行距離上限がある。3年契約で5万4,000キロ、5年契約で9万キロといった具合だ。

■アップグレードが特徴の「KINTO Unlimited」も
出典:KINTO公式サイト

トヨタとKINTOは、新しいクルマのサブスクサービスとして「KINTO Unlimited」の提供を始めることを2022年12月に発表した。現在の対象車種は、ヤリス、ヤリス・クロス、プリウスとなっている。

KINTO Unlimitedでは、KINTO ONEをベースに、新たにソフトウェアとハードウェアのアップグレードを提供する。ソフト面では、OTAを通じたソフトウェアの更新により、衝突被害軽減ブレーキをはじめとしたToyota Safety Senseを、その都度最新にアップデートする。

ハード面では、契約車両にあらかじめ施す「アップグレードレディ設計」を通じて、ユーザーのニーズに合わせたハードウェアの装備や機能の後付けを可能にしていく。

さらに、トヨタのコネクティッド技術を活用し、ユーザーが運転する際のデータを収集・分析する。それにより、ユーザーごとに異なる安全な運転や燃費の向上につながるポイントを、専用のアプリを通じてアドバイスする。エンジンオイルの交換についても、クルマごとの使用状況に合わせたタイミングで提案していくという。

■「乗り味」を重視して事業を展開

KITOは、クルマのオーナーに向けた愛車のカスタム・機能向上サービス「KINTO factory」を2022年1月から開始した。これまで新車の注文時にしか選択できなかった装備や純正アイテムを、特定車種においてすでに乗っている車に取り付け可能になった。

クルマを「進化」させるサービスを提供し続けるトヨタとKINTO。サブスクでも購入でも、トヨタがこだわる「乗り味」を重視していることが分かる。KINTOが今後どんなサービスをさらに生み出すのか、注目していきたい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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