Google、自動運転タクシーの「試乗ツアー」!正式展開前に「信用獲得」狙う

米ロサンゼルス市内6カ所で順次実施

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出典:Waymo公式ブログ

Google系の自動運転開発企業である米Waymoが、完全無人の自動運転車に試乗できるツアーを米カリフォルニア州ロサンゼルスで開始する。

同社はすでにロサンゼルスで自動運転タクシーサービス「Waymo One」の走行テストをスタートしている。このサービス範囲を拡大することに先駆け、市民や観光客に完全自動運転を体験してもらうという試みだ。

2023年10月から2024年3月にかけて同市内の6カ所で行うという。

■自動運転体験ツアーを行う背景とは?

Waymoは2018年12月に世界初の自動運転タクシーサービスであるWaymo Oneをアリゾナ州フェニックス郊外で開始後、2021年8月にサンフランシスコでもスタートした。その後、今年に入りロサンゼルスでも走行テストを開始している。

Waymoが「ツアー」として自動運転体験を提供するのは、これが初めてとなる。同社はツアーの各停車場所で地元の企業やコミュニティと提携し、市民に同社や自動運転車に対して好印象を持ってもらおうと考えているようだ。

同社の自動運転タクシーは、急停止し交通を遮断するといったトラブルをときどき起こしている。こういったトラブルや、タクシードライバーの仕事を奪うといった理由から、自動運転車に反対する団体による抗議活動も行われている。またWaymo車が住民による妨害を受けるという出来事も起こっている。

今回のツアーには、社会受容性の醸成、言い換えれば自動運転タクシーの「信用獲得」を狙うという狙いがある。

■チケット所持者は期間中、24時間体験可能
出典:Waymoプレスリリース

自動運転車のツアーは、全て無料で参加できる。Waymoは期間中に住民や観光客に乗車券を配布する。乗車券を持っていれば、ツアーが行われているエリア・期間中に24時間利用可能だという。

なお乗車券を入手するためには、Waymoがロサンゼルス市内で行うポップアップイベントで受け取る、もしくはウェブサイトまたはアプリでキャンセル待ちに登録するという2つの方法があるようだ。

ツアーのスケジュールは以下の通りとなっている。

■自動運転タクシー普及の後押しになるか!?

Waymoと同様、米国で完全無人の自動運転タクシーサービスを展開しているGM傘下のCruiseは、最近サンフランシスコで車両が襲撃を受けた。自動運転開発が進み、サービスの実用化が拡大される一方で、反対派も一定数いるようだ。

Waymoが今回行うツアーは社会受容性の向上につながり、自動運転タクシーに賛成の声が増えていくことは、企業や業界にとってプラスとなる。ツアーの成果に注目だ。

【参考】関連記事としては「20億ドルの市場機会!Waymo、L.A.でも自動運転タクシー」も参照。

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