Googleの自動運転タクシー、放し飼いの犬をはねて死なせる

広報担当「システムが検知するも避けきれず」

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Waymoが開発する自動運転車(※今回の記事の事故車両とは限りません)出典:Waymoメディア向け資料

Google系の自動運転企業であるWaymo(ウェイモ)の自動運転タクシーが、サンフランシスコで放し飼い状態の小型犬に接触する事故を起こし、その犬を死なせていたことがこのほど判明した。

■自動運転システムは犬を検知したが…

この情報は、DMV(車両管理局)のレポートから明らかになった。事故が起きたのは5月21日で、サンフランシスコ南東部の住宅街であるBernal Heights(バーナル・ハイツ)で日中に発生した。

事故現場は、犬の訓練施設の近く。当時は自動運転タクシーの車両に安全要員が同乗していたが、自動運転モードだった。米メディアの報道によれば、車両は軽微な損傷を受けたという。

Waymoの広報担当者は「駐車中の車の後ろから犬が飛び出してきたことを自動運転システムは検知したものの、接触を避けることができなかった」とした上で、「信頼と安全は我々にとって最も重要なことで、引き続き調査をしている」とコメントしている。

犬がどれくらいのスピードで飛び出してきたかについては報じられていないが、飛び出してきたのが人間だったら、Waymoとしては自動運転タクシーの運行以来、1件目の死亡事故になった可能性もある。

■カリフォルニア州当局の決議に影響も

米メディアの報道によれば、Waymoの自動運転車による事故・事件は、今年に入ってから6倍に増えている。展開している車両が増えたため事故・事件が増えた可能性もあるが、救急サービスの車両を妨害した事件も含まれており、この状況に対する懸念の声は少なくない。

カリフォルニア州公益事業委員会は今月6月末に、サンフランシスコで自動運転タクシーを24時間365日展開することを可能にするか決議をする予定で、Waymoの一連の事案がこの決議の結果に何らかの影響を与える可能性は高い。

同州は世界的にも自動運転に関する先進都市であるため、同委員会の決議の結果には関心が集まりそうだ。

【参考】関連記事としては「Waymoの自動運転戦略(2023年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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