ロボット上のアプリケーション開発を手がける株式会社BASICS(本社:石川県加賀市/代表取締役:小畑智也)は、屋外用自律掃除ロボットの実証実験を2023年4月24~28日に加賀市の加賀中央公園で行うことを発表した。
使用するのは、本格的な自動運転技術を搭載した屋外用掃除ロボット「VIGGO(ヴィ-ゴ)」だ。今回の実証はスマートシティを目指す加賀市の協力で行われ、一般公開される。屋内型の自動運転ロボットは適用難易度が高く、さらに清掃ロボとなると、使用されている例はかなり少ない。
どんなロボットなのだろうか?詳しくは後述するが、1台のVIGGOは人間約6人が働いた分の面積を清掃できることをイメージしてもらえば、そのスペックが理解しやすいかと思う。
■小雨や小雪、夜間もなんのその
VIGGOにはGNSSやRTK、LiDAR、カメラ、超音波レーダーなどによるレベル4の自動運転技術が搭載されており、遠隔監視のみで走行できる。特定走行エリアにおいて、道路上の落ち葉や枝、砂利などを完全自動で収集する。時速2〜5キロで走行し、小雨や小雪といった天候や、街灯があれば夜間でも走行が可能だ。
道路工事などでのルートの封鎖やマンホ-ルの蓋が開いた状態など、さまざまな路上の状況に対応しており、人間や障害物を回避する機能も備わっている。検証によると、8時間あたりの稼働量では、1台のVIGGOは人間約6人が働いた分の面積を清掃できるという。稼働効率が人間よりかなり高いということだ。
Androidのアプリ経由で遠隔操作可能で、清掃後は元の位置に自動で戻る機能も搭載されているようだ。
■ロボットの開発企業は中国のidriverplus
VIGGOを開発しているのは、中国のidriverplus(智行者)だ。2015年設立の同社は、AI(人工知能)による自動運転レベル3・4の自動運転関連のソリューションを提供するスタートアップだ。これまでに無人運転のテスト走行での累積距離は130万キロを超えているが、無事故を達成しているという。
VIGGOは日本ではテクトレが総代理店を務めており、2021年1月から販売されている。
■人材不足の課題に貢献できるか注目
今回の実証を行うBASICSは、ロボティクス分野のほかシステム開発、スポーツテック、アーキテクチャ設計などを手掛けている企業だ。実証を一般公開することにより、ロボットの性能や便利さの認知向上を目指すという。
少子高齢化などによる人材不足が深刻になっている中、屋外型の自動運転清掃ロボットは大きな助けになりそうだ。身近で活躍する日はそう遠くないかもしれない。
▼idriverplus公式サイト
https://idriverplus.jp/
【参考】関連記事としては「自動運転技術の応用!中国で無人ミニ清掃車「Viggo」が活躍中 LiDARも搭載」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)