米Amazon傘下の自動運転開発企業Zoox(ズークス)が開発するドライバーレスのロボタクシー専用車両がこのほど、米カリフォルニア州の公道で乗客を乗せての走行に成功した。
現在、市販車をベースにした自動運転車で乗客を乗せて公道を走行する事例は数多くあるが、同社によると、ロボタクシー専用に設計・製造された車両が乗客を乗せて公道を走行したのは「世界初」だという。
■「ポッド型」のロボタクシー
Zooxは2023年2月11日に、カリフォルニア州車両管理局(DMV)の認可のもと、ハンドルやアクセルペダル、ブレーキがないロボタクシーで公道での同社従業員の送迎サービスを開始した。
同社のロボタクシーはいわゆる「pod」(ポッド型)などと呼ばれ、ボディ全長3,630ミリ×高さ1,936ミリのコンパクトな対面式のモビリティとなっている。最大4人が乗車でき、同社の2つのメインオフィスの間にある公道を時速50〜60キロ程度で走行しているようだ。走行するルートには信号機があり、自動車や歩行者、自転車も行き交っているという。
車両には、100以上もの新たな安全機能が搭載されているという。なお、日本の技術専門商社のコーンズテクノロジーが国内代理店を務めるTeledyne FLIR Systems社製の遠赤外線カメラも搭載されているようだ。音や光で歩行者と意思疎通できる仕組みも整っているという。
Zooxは従業員向けにサービスを展開したのち、政府の認可を取得後、一般利用者向けにサービスを拡大する予定だ。
【参考】関連記事としては「Zooxの都市向け自動運転車、CEO「想像よりずっと早い時期」と言及」も参照。
■「業界にとって大きなマイルストーン」
ZooxのCEO(最高経営責任者)であるAicha Evans氏は今回の成功について「Zooxだけでなく、自動運転車業界にとって大きなマイルストーン」とした上で、「Zooxは一般向けのロボタクシーサービスの商用化に一歩近づいたと言える」とコメントしている。
乗用車型の自動運転タクシーの商用サービスは、Google系Waymoや米GM傘下のCruiseなどによりすでに米国で始まっているが、ポッド型モビリティではサービスが展開されていない。
ポッド型の開発はCruiseやトヨタも進めており、Zooxに追随する流れとなるのか注目だ。
▼Zoox公式サイト
https://zoox.com/
【参考】関連記事としては「ZooxのエバンスCEOが語ったこととは?Amazon傘下の自動運転スタートアップ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)