関西MaaS、万博見据え2023年夏にいよいよローンチ

官民協力で関西の交通が大きく進化

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出典:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会公式サイト

関西地方におけるMaaSの取り組みに関して、2022年11月8日に行われた「第2回関西MaaS推進連絡会議」において、今後のスケジュールが発表された。関西MaaSは2023年夏をめどにサービスを提供開始する予定だと明らかにされた。

2025年に大阪・関西万博が開催されることを受け、先行してスタートさせることで、より使いやすいサービスへ進化させる。

▼MaaSに関連する取組状況について|近畿運輸局
https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/content/000277482.pdf

■そもそも「関西MaaS」とは

関西の鉄道会社7社は、関西地域の交通事業者間の連携を前提としたMaaSシステムを共同で構築することを2022年11月に発表した。連携するのは、大阪市高速電気軌道、近鉄グループホールディングス、京阪ホールディングス、南海電気鉄道、西日本旅客鉄道、阪急電鉄、阪神電気鉄道の鉄道7社だ。

7社が共同構築するのは「関西MaaSアプリ」(仮称)だ。2023年夏ごろにリリース予定の第1弾では、主に関西地域でのマルチモーダル乗継経路検索やチケット予約・購入、各社沿線の観光施設や着地型体験ツアーなどを紹介するサービスが導入される計画となっている。
複数の鉄道事業者によるMaaSシステムとMaaSアプリの共同構築は、国内初だという。

出典:近畿運輸局(※クリックorタップすると拡大できます)

そして、関西が一丸となって取り組むための基本方針「関西ツーリズムグランドデザイン2025」が2022年3月に策定され、その中で「大阪・関西万博に向けた関西観光アクションプラン」が近畿地方整備局、近畿運輸局、関西観光本部により取りまとめられた。

【参考】関連記事としては「国内初は「関西」!鉄道会社7社、MaaSで仲良く手を組んだ」も参照。

■万博開催が近づき、取り組みに熱

「大阪・関西万博 来場者輸送具体方針(アクションプラン)」初版が、2022年10月に発表された。それによると、同万博では入場時間予約や駐車場予約との連携や閉場間際の退場者の分散といった来場者輸送対策が必要となるという。また、来場者へのリアルタイムの情報提供や混雑時における駅ホームなどでの誘導といった課題もある。

▼大阪・関西万博 来場者輸送具体方針(アクションプラン) 初版
https://www.expo2025.or.jp/wp/wp-content/uploads/221017_raizyousyayusougutaihousin_02.pdf

これらを解決するツールの1つとして、MaaSとの連携による来場者輸送の平準化や情報発信が挙げられている。それにより来場者の利便性向上を目指すという。

また関西MaaSでは「大阪・関西万博に向けた関西観光アクションプラン」の概要を発表している。ウィズコロナで新しい旅のニーズに対応した取り組みを行っているほか、「テーマとストーリー」「人材」「情報」の3つの視点で地域を「つなげる」といったプランを考えているようだ。

大阪・関西万博に向けて、社会資本整備と観光・交通に関する事業を近畿地方整備局、近畿運輸局、関西観光本部の3者が連携していくことで、その効果を最大限に発揮するとしている。万博の開催が近づいてきたいま、より取り組みに熱が帯びていきそうだ。

【参考】関連記事としては「MaaS解説」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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